微細加工技術を医療に生かす、アルプス電気のマイクロ流路MEDTEC Japan 2014

アルプス電気は「MEDTEC Japan 2014」で、マイクロ流路などを医療向けに提案した。微細加工が必要なもので、同社が電子部品で培ってきた金型微細加工技術を、医療分野にも応用したい考えだ。

» 2014年04月16日 10時30分 公開
[村尾麻悠子,MONOist/EE Times Japan]

 アルプス電気は、医療機器設計/製造の総合展示会「MEDTEC Japan 2014」(2014年4月9〜11日)において、同社の微細加工技術を応用したマイクロ流路を医療向けに提案した。

 マイクロ流路は検体を混合/分離するもので、生化学検査や医療診断への応用が進んでいる。現在、マイクロ流路を搭載した検査機器では、検体を変える際に何度も洗浄している。アルプス電気は、従来に代わる、カートリッジ式として使えるようなマイクロ流路を展示した。アルプス電気は、「当社は、小型スイッチなど向けに非常に精密な金型を作ってきた。マイクロ流路ではそうした金型微細加工技術を生かし、安定した流路を成形できる」と話す。「流路の部分を交換できれば洗浄の手間が省けるので、検査や実験の効率化に役立つのではないか」(同社)。

アルプス電気が展示したマイクロ流路(左)。最も細い流路は幅100μmほどだという。右は、マイクロ流路に液体を流しているところ。左の流路から黄色い液体、右から青い液体を導入している。逆三角形のものは、シリカモノリスと呼ばれる素材。スポンジのように小さな穴が無数に空いているので、より液体が混ざりやすくなる。もろい素材だが、このようなものもマイクロ流路に内蔵できる(クリックで拡大)

光レンズや回折格子も

 マイクロ流路の他、光レンズも展示した。「通信ケーブルに使われている鏡筒一体型の光レンズは気密性が高く、内視鏡に使えるのではないかと考えている」(アルプス電気)。非球面レンズは、内視鏡やレーザーカテーテル(細く柔らかい管に光ファイバーを組み込んだもの)に応用できる可能性がある。

左が鏡筒一体型の光レンズ。右が非球面レンズ(クリックで拡大)

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