三菱自がパイクスピークに3年連続参戦、「MiEV Evolution III」で3度目の正直

三菱自動車は、米国コロラド州で2014年6月23〜29日に開催される自動車レース「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(パイクスピーク)」の2014年大会に電気自動車(EV)レースカー「MiEV Evolution III」で参戦する。2012年大会以降、3年連続の参戦となる。

» 2014年06月02日 13時50分 公開
[MONOist]
三菱自動車のパイクスピーク2014年大会参戦車両となる「MiEV Evolution III」の外観

 三菱自動車は2014年6月2日、米国コロラド州で2014年6月23〜29日に開催される自動車レース「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(パイクスピーク)」の2014年大会に電気自動車(EV)レースカーで参戦すると発表した。2012年大会以降、3年連続の参戦となる。

 これまでパイクスピークにおけるEVを対象とするクラスは、エレクトリッククラスだけだった。2014年大会からは、EV改造(Electric Modified)クラスと、EV市販車クラス(Electric Production)の2クラスが設定されている。今回三菱自動車が参戦するのはEV改造クラスになる。

 参戦車両は2013年大会の「MiEV Evolution II」をさらに進化させた「MiEV Evolution III」。2012年大会からチーム監督兼ドライバーを務める増岡浩氏と、2013年大会から2年連続でドライバーを務めるグレッグ・トレーシー氏の2台体制で挑む。

三菱自動車のパイクスピーク2014年大会参戦車両となる「MiEV Evolution III」の外観(クリックで拡大) 出典:三菱自動車

 MiEV Evolution IIIは、MiEV Evolution IIの特徴である大容量二次電池パック、高出力モーター、前後4基のモーターから構成される電動四輪駆動システム(4WD)などの主要コンポーネントを踏襲。その上で動力性能と旋回性能の向上を目的とした改良を施した。専用パイプフレームは構造の合理化と材料置換によって軽量化を図った。モーターは4基合計で400kWから450kWまで高出力化し、この増大した出力を路面に伝えきるためにタイヤも大径化(260/650-18から330/680-18へ)した。

 カーボン製カウルも新たにデザインし、風洞実験によるスポイラーなど細部の形状の最適化を経てダウンフォースを高めた。その上で、車両運動統合制御システム「S-AWC」の制御を進化させて、トラクションコントロール性能を向上させるとともに、限界付近での車両挙動を緻密に制御することでスピンを抑制し、ドライバーにとって安心感のある卓越したハンドリング性能を実現したとしている。

 三菱自動車の2013年大会の成績は、エレクトリッククラスで増岡氏が2位、トレーシー氏が3位。予選走行ではトレーシー氏が1位、増岡氏が2位だったが、直前の降雨で溝付きタイヤへの交換を強いられて順位を落とし、「Team APEV with モンスタースポーツ」の「E-RUNNER パイクスピークスペシャル」を駆る田嶋伸博氏にエレクトリッククラスの優勝をさらわれている(関連記事:パイクスピークのEVクラスはモンスター田嶋が優勝、予選1位の三菱自は雨に泣く)。2014年大会はどうなるのか、注目だ。

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