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» 2014年06月27日 11時00分 公開

DLしたSTLデータが無償3次元CADで形状編集できない! どうしたら?3次元って、面白っ! 〜操さんの3次元CAD考〜(36)(2/2 ページ)

[水野操 ニコラデザイン・アンド・テクノロジー/3D-GAN,MONOist]
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下絵や参照形状にして形状を作る

 次に123D Designで、STLデータを参照形状として使って形状を作ってみます。図8にあるデータは、「Meshmixer」のライブラリにあった人物の頭部です。123D Design に取り込んだSTLは、拡大、縮小など以外、形状には一切手を加えられません。

図8 胸像

 このやり方、人を3Dスキャンしたデータがあれば、ヘッドフォンとか何か、その個人にぴったり合うようなものを作りたいときに役に立ちそうです(図9)。

図9 ヘッドフォンを付けてみた

123D Designのデータを使いなれたCADで使いたい

 さて、123D Designを使う方からよく聞かれる質問の1つが、「123D Designのデータを違う3次元モデラーに持っていけないのか」ということです。確かに、123D Designで保存ができるのは、ネイティブの「123dx」というファイルとSTLファイル(エクスポート)のみ。つまり、他の3次元モデラーに渡して利用するのが難しいのです。

 例えば、最初は3Dプリンタでひっそりと作っていたモノが世の中で予想外に大受けして、金型を起こして量産したいということがあるかもしれません。ところが、そうなるとIGESやSTEPなどのファイルフォーマットで形状データを用意する必要があります。射出成形を考慮した形状に作り変えるにしても、設計が完成しているものなら、手間を掛けて他のCADで作り直したくないですよね。

 その「直接ルート」ではないのですが、「迂回ルート」なら存在します。

 それには、ファイルを123Dのクラウドサービスに保存し、それをSMBファイルでダウンロードするのです。SMBのファイルを読むことのできるCADは数が少ないのですが、「Fusion360」だと読み見込めます(関連記事:無償3次元CAD「Fusion 360」で2次元スケッチを描こう)。

 まず、図10のようなマグカップを123D Designで作ってみます。

図10 マグカップ

 そのデータを123Dのクラウドサービスにアップロードします(図11)。

図11 自分のアカウントに保存されているのを確認

 しばらくすると、ダウンロードの準備ができるので、SMBのみをダウンロードします(図12)。

図12 SMBファイルをダウンロード

 さらに、Fusion360で読み込みます。特に問題はありません(図13)。

図13 Fusion360で読み込み

 特に問題なく読み込めます。メッシュではなくて、B-repのデータなのでこのように普通にフィレットを付けたりなどの操作もここでできます(図14)。

図14 Fusion360上なら、形状の編集が可能

 エクスポートはいくつかの形式に対応するので、「STEP」で保存してみましょう(図15)。

図15 EXPORTメニューからSTEP等形式を指定して保存

 STEPなら多くのCADで読めます(図16、17)。

図16 MoI 3Dで読み込めた
図17 Inventorで読み込めた

 慣れているCADでそのまま操作を続けることが可能です(図18)。

図18 当たり前ですが編集はもちろん可能

 ちょっとまどろっこしいですが、こんな風にして外部とのデータのやりとりも可能です。Fusion360は90日の間ではありますが無料ですし、その後は年間300ドルで使えます。

 ということで、今回はこれにて失礼します。ではでは。


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Profile

水野 操(みずの みさお)

1967年生まれ。ニコラデザイン・アンド・テクノロジー代表取締役。マルチ・ディメンション合同会社社長。3D-GAN理事。外資系大手PLMベンダーやコンサルティングファームにて3次元CADやCAE、エンタープライズPDMの導入に携わったほか、プロダクトマーケティングやビジネスデベロップメントに従事。2004年11月にニコラデザイン・アンド・テクノロジーを起業し、オリジナルブランドの製品を展開しているほか、マーケティングやIT導入のコンサルティングを行っている。著書に『絵ときでわかる3次元CADの本』(日刊工業新聞社刊)などがある。



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