「Cyclone V SoC」にステレオカメラアルゴリズムを実装、評価キットまもなく販売開始ETWest2014

西日本唯一の組み込みシステム技術専門展示会「Embedded Technology West(ETWest)2014」が開催された。日本アルテラブースにて展示されていた「Cyclone V SoC」を使ったステレオビジョンIPを紹介する。

» 2014年07月31日 11時30分 公開
[渡邊宏,MONOist]
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 西日本唯一の組み込みシステム技術専門展示会「Embedded Technology West(ETWest)2014」が、グランフロント大阪(大阪府大阪市)で2014年7月29、30の両日に開催された。日本アルテラブースでは、同社の「Cyclone V SoC」を使ったステレオビジョンIPが展示されていた。

photo ETWest2014の日本アルテラブースに展示されていた、ステレオビジョン評価キット

 これは2つのカメラで捉えたステレオ映像をアルテラのCyclone V SoCで補正・校正、およびステレオマッチングを行い、さらに東京工業大学 准教授 実吉敬二氏が開発したアルゴリズムで物体検知と動体追尾を行うもので、システムに合わせたカスタマイズやサービスの提供は富士ソフトが行う予定だ。

photo 正面から

 サンプルボードにはアルテラの「Cyclone V SX SoC 5CSEMA5F31C6」を搭載し、500万画素のCMOSカメラを2つ組み合わせる。カメラ間の距離(基線長)は10/15/20cmが設定でき、基線長10cmならば認識可能な最長距離は157m(理論値)となる。ステレオカメラで距離を得る仕組みのため、対象との距離が近すぎると検知できない(基線長10センチの場合、最短距離は1.2メートル)。

 小型および低遅延(レイテンシは2ms、720p/30fps時)であるため、車載での安全運転支援(ADAS)の他にもロボットアーム制御、店舗内での顧客動線検知、防災・災害感知といった分野での利用が想定できる。

photo 左奥ウィンドウに注目。左がステレオカメラで得られたスルー映像、右が距離を認識した状態での映像。カメラとの距離が近い被写体は赤で、遠い被写体は緑で表現されている

 評価キットにはボードとカメラのほか、カメラ固定用アクリル板、サンプルデモアプリケーション、Linux kernel 3.12、IPコア制御用サンプルドライバー、カメラ画像ビューワ、キャリブレーションツール、各種ドキュメントなどが付属する。評価キットの販売価格は50万円前後の見込みだ。

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