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» 2014年08月07日 14時30分 公開

モノづくり最前線レポート:国内回帰はあるのか!? 製造業の国内設備投資、業績回復しているのに1.7%減 (3/3)

[三島一孝,MONOist]
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国内生産は技術や生産性向上の基盤

 これらの「国内生産を継続する理由」として、最も多いのが当然ながら「国内需要への対応」で全回答者の70.7%が理由として挙げている。続いて「技術・商品開発のための生産基盤が必要」(34.9%)、「国内生産による高い生産性」(32.4%)が続いている。

 ただ、これらの上位の中で2013年度調査と比較すると「国内需要への対応」(−5.9%)や「技術・商品開発のための生産基盤が必要」(−12.4%)とした回答者の比率は下がっている。逆に2014年度調査で増えた回答としては「国内生産による高い生産性」(+2.6%)、「国内サプライチェーンの存在」(+4.9%)など、国内の高度なモノづくりの結び付きを評価する声が高まっている。

 一方で、2014年度調査で特徴的なのが海外進出リスクを懸念する回答だ。「技術の海外流出に対する懸念」とした回答が、9.0%から12.3%へ増えた他、「海外の法・制度面の不安」が0.5%から2.9%に増加。初期投資の大きさや人材確保の難しさを挙げた回答も増えている。ここ最近、チャイナリスクやタイの政情不安、為替の問題など、海外進出のリスクを考えさせられる状況が多く発生しており、これらを気にする動きが強まっていると考えられる。

photo 国内生産を継続する理由(クリックで拡大)

国内には何を残すべきか

 製造業が今後も「国内に残すべきと考える機能」については、「企画・経営管理」(79.4%)、「資金調達」(43.8%)などの本社機能に加えて、「研究開発(基礎)」(59.4%)、「研究開発(応用・試作)」(49.9%)、「マザー工場(基幹部品生産など)」(54.5%)などが高い比率を占めた。また「高付加価値製品の量産」については27.0%が国内に残すとしている。一方で「汎用品の量産」とした回答は7.6%で、日本で作った研究結果や量産モデルを海外に展開していくことを想定している企業が多い傾向が見られている。

photo 国内に残すべき機能(クリックで拡大)


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