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» 2014年08月25日 14時45分 公開

スバルの「WRX S4」と新型「WRX STI」、同じ2.0lターボエンジンでも異なる性能エコカー技術(2/2 ページ)

[朴尚洙,MONOist]
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同じ排気量2.0lの水平対向ターボエンジンでも異なる性能

 WRX S4と新型WRX STIはボディとシャシーが共通であるため、外形寸法も同じである。全長4595×全幅1795×全高1475mmで、ホイールベースは2650mm。従来モデルのWRX STIと比べて、全長が15mm、ホイールベースが25mm伸びた。ホイールベースの延長分は、後席スペースを広げるために用いられている。

 このベースとなるボディとシャシーを基に、WRX S4は燃費性能や安全性能を、新型WRX STIは出力や足回りといった走行性能を重視して開発された。その差が最も顕著なのがエンジンだ。両車両とも排気量2.0lの水平対向4気筒ターボエンジンを搭載しながら、WRX S4はダウンサイジング過給のコンセプトを採用した直噴ターボエンジン「DIT」である「FA20」を、新型WRX STIはより高出力を期待できる「EJ20」を用いているのだ。

「FA20」の出力−トルク特性 「FA20」の出力−トルク特性(クリックで拡大) 出典:富士重工業

 FA20は、2014年6月発売の「レヴォーグ」に採用された排気量1.6lのDITエンジンの、2.0lバージョンとなる。最高出力は221kW(5600rpm)、最大トルクは400Nm(2000〜4800rpm)。圧縮比は10.6である。

 従来モデルのWRX STIの「A-line」に採用した排気量2.5lのターボエンジンと比べて、6000rpm以上の高回転域を除いて出力、トルクとも上回っている。その一方で、ダウンサイジング過給と、鉛バッテリーの充放電をより正確に管理できる新型電流センサーや高効率の新型オルタネータ―の採用などにより、WRX S4は13.2km/lと四輪駆動のスポーツセダンとしては良好なJC08モード燃費を達成した。

「EJ20」の出力−トルク特性 「EJ20」の出力−トルク特性(クリックで拡大) 出典:富士重工業

 一方、新型WRX STIに搭載したEJ20は、従来モデルのWRX STIを含め富士重工業のさまざまな車両に長く採用されてきたエンジンだ。。最高出力は227kW(6400rpm)、最大トルクは422Nm(4400rpm)。圧縮比は8.0である。

 新型WRX STIでは、「よりエキサイティングな走りを求めるドライバーの期待に応えるため、加速レスポンスをさらに向上させ、究極のスポーツユニットと呼ぶにふさわしいエンジンに進化させた」(同社)という。具体的には、エンジンECU(電子制御ユニット)の制御内容変更によって、ターボの過給圧制御をより緻密に行えるようにして加速レスポンスを向上した。新型WRX STIではアクセル踏み込み量が25%の際に、従来モデルのWRX STIで同50%とを超える加速度を発揮できるとしている。JC08モード燃費は9.4km/lである。

「EyeSight(ver.3)」の「WRX S4」とMT搭載の新型「WRX STI」

 WRX S4と新型WRX STIは、エンジン以外でも対象とするユーザーを意識したシステムが選定されている。

 トランスミッションについては、WRX S4が無段変速機(CVT)のスポーツリニアトロニックであるのに対し、走りを強く意識した新型WRX STIは専用の6段変速マニュアルトランスミッション(MT)を搭載した。さらに新型WRX STIは、コーナリング特性を選択できるDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)方式の四輪駆動システムや、ブレンボと共同開発したベンチレーテッドディスクブレーキなども採用している。

DCCD方式四輪駆動システムでは、3つの「AUTO」モードでコーナリング特性を選択できる DCCD方式四輪駆動システムでは、3つの「AUTO」モードでコーナリング特性を選択できる(クリックで拡大) 出典:富士重工業

 安全性能を意識したWRX S4は、レヴォーグに続いて、運転支援システム「EyeSight(ver.3)」を採用する2車種目の車両となる。EyeSight(ver.3)は、従来の「EyeSight(ver.2)」よりも優れた認識性能を備えている(関連記事:次世代「アイサイト」は赤信号を認識できる、速度差50kmでも衝突回避が可能に)。

「EyeSight(ver.3)」と「EyeSight(ver.2)」の比較 「EyeSight(ver.3)」と「EyeSight(ver.2)」の比較 出典:富士重工業
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