ソリッドワークス、概念設計を支援する「Mechanical Conceptual」の国内販売開始CADニュース

ソリッドワークス・ジャパンは、「SOLIDWORKS Mechanical Conceptual」の日本国内販売を2014年9月5日より開始すると発表。ダッソー・システムズのクラウドベース機能を活用し、製造プロセスの初期段階で行う概念設計(コンセプトデザイン)に必要な各種機能を提供する。

» 2014年09月05日 15時51分 公開
[八木沢篤MONOist]
ソリッドワークス・ジャパン

 ソリッドワークス・ジャパンは2014年9月5日、「SOLIDWORKS Mechanical Conceptual(以下、Mechanical Conceptual)」の日本国内販売を同日より開始すると発表した。

 このMechanical Conceptualは同年1月に行われたプライベートイベント「SolidWorks World 2014」で発表されていたもの(関連記事:「設計を抜本的に変える」、クラウド利用で構想設計をもっと自由に)。

ソリッドワークス・ジャパン/ダッソー・システムズ 代表取締役社長 鍛治屋清二氏 ソリッドワークス・ジャパン/ダッソー・システムズ 代表取締役社長 鍛治屋清二氏

 Mechanical Conceptualは、仏ダッソー・システムズが提供する「3DEXPERIENCE platform」を基盤とする、初のソリッドワークスのアプリケーション。ダッソー・システムズのクラウドベース機能を活用し、製造プロセスの初期段階で行う概念設計(コンセプトデザイン)に必要な各種機能を実現する。「クラウドを活用することにより、同一プラットフォーム上で、関係者や顧客とシームレスにコミュニケーションを図ることができる。また、IT部門がなく、サーバメンテナンスコストを捻出できないような中小企業のユーザーに最適だ」と、ソリッドワークス・ジャパン/ダッソー・システムズ 代表取締役社長 鍛治屋清二氏は語る。

概念設計の特長 概念設計の特長

 製品の良しあしを決定付けるといっても過言ではない概念設計は、詳細設計よりも多くの設計案を検討する必要があり、全開発工程の約3割の時間を費やすこともある。また、そこには多くのエンジニアが参加し、複数の企業がコラボレーションするケースもある。そのため、概念設計を効率化し、いかに創造性を高められるかが重要となる。Mechanical Conceptualでは、まずメカニズム概念設計のサポートから着手し、以後ニーズに応じて展開するという。

 Mechanical Conceptualは、直感的に使えること(Instinctive)、社内外のステークホルダとのコラボレーション(Social)、場所・時間を越えた情報共有(Connected)、アイデアのレイアウトと性能概略計算(Conceptual)を、ユーザーの新しい満足を生み出すための概念設計環境と位置付け、「直観的なスケッチ機能」「場所や組織を越えたコミュニケーション機能」「メカニズムの妥当性確認」「3次元による機構解析」の4つを実現している。

概念設計に必要な機能 概念設計に必要な機能

 ユーザーは、Mechanical Conceptualにより従来のポンチ絵や2次元図面を描くのと同様に、わずかなマウス操作だけで機構動作を認識できる3次元モデルをスピーディーに作成できる。そして、作成した3次元モデルをソーシャル機能を用いて公開することで、関係者がFacebookのような感覚でコメントや別のアイデアを書き足していくことが可能となる。以下は、Mechanical Conceptualのソーシャル機能を紹介した映像だ。

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SolidWorks Mechanical Conceptual: Social ※出典:SOLIDWORKS

 Mechanical Conceptualは、概念設計とメカニズム設計を実現する「SOLIDWORKS Mechanical Conceptual」、構造検証を実現する「Product Design Simulation」、効率的な情報共有が行える「Collaborative Sharing」の3つの製品からなる。

各製品に含まれるアプリケーション 各製品に含まれるアプリケーション

 SOLIDWORKS Mechanical Conceptualに含まれるアプリケーションは、Mechanical ConceptualとCollaborative Sharingの2つで、参考年次使用料は51万1800円(税別)。Product Design Simulationに含まれるアプリケーションは「SIMULIA Material Definition」と「SIMULIA Structural Validation」の2つで、参考年次使用料は68万4500円(税別)。なお、動作にはSOLIDWORKS Mechanical Conceptualが必要とのこと。そして、Collaborative Sharingに含まれるアプリケーションは、データとコンテンツ管理を行う「3DSpace」、分散するユーザーの分野横断型の協業を可能にする「3DSwym」、さまざまなデータ源の情報をカスタマイズ可能な1つのWebページで利用できる「3DDashboard」の3つで、参考年次使用料は19万3200円(税別)である。なお、ストレージの追加購入オプション「Extra 25GB of storage」も用意されている。こちらの参考年次使用料は2万560円(税別)となっている。

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