金型屋さんが生み出した自社製品ブランド――MGNETの武田修美さんに聞くzenmono通信(3/4 ページ)

» 2014年09月22日 10時00分 公開
[zenmono/MONOist]

最初の名刺入れはチタンを加工

enmono宇都宮氏 MGNETさんの商品紹介をお願いします。これが最初の名刺入れですね。

武田氏 そうです。次の商品も名刺入れで、今度は横でなく縦に開くタイプのものです。マグネシウムとチタンがあり、どちらも同じ型で成形しています。

enmono宇都宮氏 チタンって、曲がりにくいんじゃないんですか?

武田氏 非常に曲がりにくいです。そこが、武田金型だからできる部分でもあります。チタンもそうですが、当時はマグネシウムのプレスがここまでできるというのは、なかなか難しいことだったんです。これからは、同じ形でアルミやステンレス、真鍮(しんちゅう)などをラインアップしていきます。

enmono宇都宮氏 金属の材質感を味わってもらう商品以外に、カラフルなものや模様を付けた商品もあるんですか?

武田氏 弊社の商品は割とシンプルに、あまりデザインデザインしないようにしています。この名刺入れの後に作ったiPhoneケースもそうなんですけれども、私も今、(自分のiPhoneに)つけていますが。

enmono宇都宮氏 シンプルですね。スライドして入れるようになっていて、かなり精度はいいですね。iPhoneが収まっていますものね。

武田氏 問題は金型屋なので精度を出そうとした結果、iPhoneの個体差がありすぎて、はまらないという。確認しているだけでも、コンマ2mmくらいの誤差があるのです。コンマ2mmということは、お札が2枚入るようなものなので。

enmono宇都宮氏 しっくりはめようとしたら、ぜったい無理じゃないですか。

武田氏 無理なので、販売店さんには確認していただいたりとか、希望があれば修正したりしています。

enmono宇都宮氏 普通、ケースの方が精度が悪かったりしますよね。でも樹脂だから問題なかったり。逃げ技でゴムをかますとか、考えたりされましたか?

武田氏 考えました。そうすると、ケース自体が大きくなって、野暮ったくなってしまいます。あまり外観を損なわず、かつ、Appleっぽい感じを出すため、極力薄くしています。

enmono宇都宮氏 わからないですものね、ケースをしているというのが。それは?

武田氏 これは、最近販売を始めた名刺入れです。両方チタンですが、シルバーはオリジナルで、褐色の方は着色ではなく酸化させているんです。

enmono宇都宮氏 これも武田さんがデザインされたのですか?

武田氏 カーデザインの会社さんです。これはコラボで出している商品です。

enmono宇都宮氏 両開きなんですね。あわせが二つあるので、何回もトライされたのでは?

武田氏 分かっていただけますか。相当トライしています。この商品も大変でした。一体になっていまして、起こしたり、倒したり、何工程もあるので。

enmono宇都宮氏 かなりこだわっていますから、お値段も素敵なプライスなのでは?

武田氏 オリジナルが1万8000円(税別)で、酸化させた方が2万1000円(税別)です。

enmono宇都宮氏 どこで販売しているのですか?

武田氏 弊社が運営しているECサイトです。これから、販売店さんが増える予定です。

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