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» 2014年10月08日 09時00分 公開

中小型カラーLCD搭載のメータークラスタに最適、スパンションが「Traveo」第3弾車載半導体(2/2 ページ)

[朴尚洙,MONOist]
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2D/3Dのグラフィックスエンジンは自社開発

 S6J3200シリーズの2D/3Dのグラフィックスエンジンは自社で開発した。布施氏は、「今後開発される多くのメータークラスタに組み込まれるであろう、4〜7インチのカラー液晶ディスプレイに表示されるHMI(Human Machine Interface)のグラフィックス処理に最適な機能とサイズを持つグラフィックスエンジンは外販されていない。だから自社開発することにした」と説明する。

 2Dのグラフィックスエンジンは、3Dのエフェクトを高速でレンダリングする機能や、多言語対応に必要なベクター描画機能、少ないバッファメモリでヘッドアップディスプレイ(HUD)の表示ひずみを補正できる機能などを組み込んだ。

2Dグラフィックスエンジンの機能(左)と会見で披露した評価ボードによるデモ。評価ボードと接続したタッチパネル上にHMIを表示しており、タッチ操作も可能だ(クリックで拡大) 出典:スパンション

 3Dのグラフィックスエンジンは、一般的には必要とされる外付けDRAMを使わずに3Dグラフィックスを扱えることが最大の特徴になる。例えば、3Dグラフィックスエンジンを搭載するICと外付けDRAMを接続するには端子数を大幅に増やさなければならないため、パッケージは6層などの多層のプリント基板が必要なBGAになってしまう。しかし、S6J3200シリーズは、外付けのフラッシュメモリだけでも3Dグラフィックスを扱えるので端子数が少なくて済むので、パッケージは安価な4層のプリント基板にも実装可能なQFPとなっている。赤坂氏は、「これによって、プリント基板を含めた3Dグラフィックス処理に必要な外付け部品のコストを約3分の1に減らせる」と強調する。なお、APIはOpenGL ES 1.1とOpenVGのベクターフォントに対応している。

3Dグラフィックスを扱う上で外付けDRAMを使わずに済む「S6J3200シリーズ」のメリット 3Dグラフィックスを扱う上で外付けDRAMを使わずに済む「S6J3200シリーズ」のメリット(クリックで拡大) 出典:スパンション

 外付けフラッシュメモリだけで3Dグラフィックスを扱えるようにする上で重要な役割を果たしたのが、フラッシュメモリ用の高速インタフェース技術「HyperBus」だ(関連記事:スパンションが読み取り速度最大333MB/sの高速インタフェース技術を発表)。「他の追随を許さない速さ」(赤坂氏)という、従来のクワッドSPI(Serial Peripheral Interface)の約5倍となる333Mバイト/秒のデータ読み取り速度を実現している。

「HyperBus」の技術概要 「HyperBus」の技術概要(クリックで拡大) 出典:スパンション

音声処理回路も内蔵

 さらにS6J3200シリーズは音声処理回路も内蔵している。さまざまなエフェクトを加えて音声を出力する波形生成回路(WFG)、既存の音声/楽曲データのミキシングを可能にするミキサーに加えて、アナログ音声の出力に必要なD-Aコンバータ(ΔΣ方式)も内蔵している。「アナログICも手掛ける当社だからこそ実現できた機能だ。後は外付け部品としてローパスフィルターを追加する程度で、CD並みの音声再生が可能になる」(赤坂氏)という。

「S6J3200シリーズ」の音声処理回路 「S6J3200シリーズ」の音声処理回路(クリックで拡大) 出典:スパンション
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