欧米・アジア市場で攻勢を掛ける三菱電機、CNCのフラッグシップモデルを出展JIMTOF2014

三菱電機は「第27回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2014)」において、一新した産業メカトロニクス製品のラインアップを紹介。中国、台湾をはじめとしたアジア市場および欧米市場にも新製品を順次投入し、グローバル市場で攻勢を掛ける方針だ。

» 2014年11月04日 14時30分 公開
[長町基,MONOist]

 三菱電機は「第27回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2014)」(2014年10月30〜11月4日、東京ビッグサイト)において、一新した産業メカトロニクス製品のラインアップを紹介した。同社ではこのところ構成比が高まっている中国、台湾をはじめとしたアジア市場および欧米市場にも新製品を順次投入し、グローバル市場で攻勢を掛ける方針を示している。

 このうち数値制御装置(CNC)ではM700Vシリーズの後継機種として発売するフラッグシップモデル「M800Wシリーズ」をメインに展示。新製品はこれまで同社が構築してきた高精度、高生産性をCNC専用CPUの開発によりさらに強化している。CNCの基本性能である微小線分能力とPLC(プログラマブルロジックコントローラ)演算処理能力は従来比60%向上した。

 専用CPUの搭載は高速化だけでなく使用部品の点数の削減や故障原因の要素の減少など製品の品質向上というメリットもある。さらに表示機を従来の一般的なサイズの15型から19型のディスプレイへと大画面化を図った。マルチタッチ・ジェスチャ操作などスマートフォン感覚での操作を実現した他、画面には縦置き2分割のマルチ画面への表示切り替えや画面の下部にソフトウェアキーボード・マニュアルなどが表示でき、より操作性が高まっている。

 M800Wシリーズの高生産性を実現するスピンドルモーター、サーボモーターなどの各種モーター、ドライブユニットなどの駆動システムのラインアップも新製品を投入。これら製品の組み合わせにより生産効率の改善を目指す。

 レーザー加工機では需要が拡大しているファイバーレーザー加工機「ML3015NX-F40」をメインに展示。同製品はオリジナルの4kWファイバーレーザー発振器の搭載により加工性能を高め、ファイバーレーザー加工機の課題とされていた厚板加工に対応する。軟鋼9ミリ厚の加工速度を1.5倍に高速化し、加工時間を短縮。さらに、同社独自の高速レーザー切断技術「F-CUT」が可能な対象板厚の拡大により、ステンレス材3ミリ厚の加工時間を50%短縮した他、最大加工板厚を軟鋼22ミリ厚、ステンレス材20ミリ厚へと広げている。

photo 三菱電機が披露した厚板加工を強化したファイバーレーザー加工機の新製品

 発振効率に優れたファイバーレーザー発振器の搭載とインバータ制御冷却装置・高効率駆動機器・LED照明などを搭載したことで消費電力も約60%削減した。生産現場からの要望の高い省エネ性を実現している。三菱電機ではCO2レーザー加工機とともにより幅広いニーズに対応できるようになったファイバーレーザー加工機を並行して提案。国内市場はもとより造船や航空機関連を中心にグローバル市場でも攻勢を掛ける。

 この他、ワイヤ放電加工機MP/MX/MVシリーズ、形彫放電加工機EA-Sシリーズ、NC細穴放電加工機RH64Nなど充実したラインアップを誇る放電加工機も出品している。

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