NPOが作る「ナノ発電所」は、コミュニケーションツールzenmono通信(3/3 ページ)

» 2014年11月10日 10時30分 公開
[zenmono/MONOist]
前のページへ 1|2|3       

enmono三木氏 ITをフル活用する、意識高いオヤジたち(笑)。

上岡氏 そう、それはenmonoさんに学ばせていただいていることも多いですね。

enmono三木氏 オヤジはやっぱり、持っているじゃないですか。いろんなリソースを。で、こういう道具を使うから、すごく発展するという。

上岡氏 enmonoのお2人の話で、オープンソースエコロジーでしたっけ。ブルドーザーの設計図を公開して、それを作っちゃったり。ああいうのって、これまでなかったし。でも、そういう技術とか、そういうことができるオヤジたちが全国津々浦々に眠っていて。

enmono三木氏 世界中にいるんですよ。

上岡氏 「その人たちがオープンに、シェアし始めたら、すごいことになるな」という感じですね。オープンにしていく、シェアしていくことで食べていける。エコロジーオンラインもそうなんですけれども、自分たちが中心にならなくても、いろんなものをオープンにすることによって、逆にいろんなものが返ってくる。

enmono三木氏 人のつながりにしても、営業的ではないんですよね。

上岡氏 それに対面式ではなくて360度から、全方位からくるような感じですよね。バッテリーを作ったことから、モノづくりに関わる町工場の方との出会いもたくさんありました。モノづくりは未知の領域で、僕らと違うが故にすごい新鮮で。

enmono三木氏 モノづくり系の人と話をして、どういう刺激を受けますか?

上岡氏 1つの分野に関して、すごく深いじゃないですか。「すごいな」と思いながら、深過ぎると僕らは理解できないので、「もうちょっと戻ってきてもらえませんか」と(笑)。僕らはおちゃらけに近いものを考えていて、「こうして話題性、ストーリー性を作ったらどうですか?」と言うと、「そういう考え方がありますか」と、驚かれたり。よい相乗効果によって、「組んでよかった」となることが多いですね。

enmono三木氏 上岡さんはモノづくりについて学べますし、向こうもエコロジーや発電のことを知ることができますね。

上岡氏 そうなんです。互い持っていないものを持っているので、うまく接点がつながると、すごく楽しい話になります。

enmono三木氏 日本のエネルギーの未来に対して「こうなればいい」とか、何か思いがあればお聞かせいただきたいんですが。

上岡氏 これまでエネルギー産業は巨体で、私たちには遠い存在でした。各地に地域独占の電力会社があり、大規模な施設がいっぱいあって。まるで恐竜のようで、歩いてくると踏み倒されちゃうような……。実際、福島であんなことが起きてしまって……。携帯電話の進化なんかを見ても感じるのですが、恐竜が哺乳類に進化したように、エネルギーがもっとマイクロに、ナノになっていって、恐竜型のエネルギーシステムから哺乳類型のエネルギーシステムになっていくんじゃないかと思っていて。「エネルギーを小さく収穫して、小さい地域や家庭、個人で使う。動きも身軽で、必要とされている時に供給する」というように。そういう優しい進化が、エネルギーの仕組みの中でできればいいですね。

enmono三木氏 なるほど。

上岡氏 これまではエネルギーを大規模に作るから、大規模に使うというインセンティブが働いていたのでは。僕らは小さなエネルギーを収穫したいし、使いたいんですよ。そのような哺乳類型のシステムを作る時に、「こんなのあり得ないよ」と言っていたようなアイデアも生きてくるかもしれないし、小さな会社とか町工場が作った新しい技術が、ひょっとしたら世界の標準になるかもしれない。そういうような時代に入ってほしいな、と思っています。自分は文系ですから、モノづくり系の皆さんに応援していただかなければ。

enmono三木氏 「ナノ発電所」が、環境系以外の人とのコミュニケーションツール的な存在になって、集まってくる人も変わりそうですね。

上岡氏 バッテリーを介してインプットとアウトプットがあるわけで、いろんなところとのコラボレーションが考えられます。アウトプットの方では、小さな家電製品を製造しているメーカーさんとの出会いもありました。今、皆さんが使っているのは交流の電源です。太陽光発電は直流電力をパワコン(パワーコンディショナー)で交流に変換した上で、電源としているんですよね。それだと二度手間だし、直流を直流のままで使えたらロスも少ないので、直流の機器も増やしたいです。

enmono三木氏 エコロジーオンラインとエンモノでエネルギー関連の商品をどんどん企画して、資金を調達し町工場でつくって、ECサイトで販売していきましょう。

「zenmono通信」バックナンバー
前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.