Scrach 2.0で“リレカチ”に挑戦!Scratch 2.0で体験! お手軽フィジカルコンピューティング(11)(2/3 ページ)

» 2014年11月13日 11時00分 公開
[今岡通博MONOist]

回路図を確認

 オーディオ信号がトランジスタのベースに到達するまでは、前回のLチカ回路とほとんど同じです(Scratch 2.0で体験! お手軽フィジカルコンピューティング(10):Scratch 2.0でLチカに挑戦!)。ですが、今回のリレーのコイルは5V仕様なので電池を4本使いますし、トランジスタのコレクタも使い方が少し違います。

 それでは前回のおさらいも兼ねて回路図(図5)を見ていきましょう。PCのイヤフォンジャックから取り出したオーディオ信号はコンデンサを介してベースに到達します。また半固定抵抗によりベースに印加するバイアス電圧を調整できるようにしています。コンデンサの役割はこのバイアス電圧がPC側のオーディオ回路に流れ込まないようにするためと、オーディオ信号の不要な直流成分をカットするためです。

photo 図5 回路図

 ベースがバイアス電圧を超えると、ベースからエミッタに電流が流れ始めます。するとコレクタからエミッタに電流が流れます。これにより電源のプラスとコレクタにつながったリレーのコイルに電流がながれ電磁石として機能します。

 ここでコイルと並列にダイオードが入っています。これはコイルに流ていた電流を急に止めると逆起電圧が発生します。これを誘起電力ともよばれます。場合よっては最初コイルに印加した電圧の10倍近くになることもあります。今回使用するトランジスタの耐圧は50Vそこそこですから、この耐圧を超えると降伏現象により大電流がトランジスタ内部を流れ破壊することがあります。これを避けるため、逆起電圧を逃がすダイオードを電源とは逆方向に入れています。

 次にリレーの接点側を見ていきましょう。接点が動いたときに音はするのですが、どちら側の接点が閉じたかは分かりません。そこで今回の回路では閉じた側の接点を確認できるようLEDを点灯させます。この回路ではA接点が閉じたときのみLEDが点灯します。本来リレーは制御側と制御される側を電気的に絶縁するために使うものですが、共通接点には制御側の電源を接続しています。

 A接点、B接点とも確認したい場合は(図6)の回路を参考にしてください。

photo 図6 回路図(LED追加時)

組み立てよう

 回路図(図5)をブレッドボードに構成していきます。ブレッドボード自体の説明は以前の記事を参照してください。

 ブレッドボードへの実態配線図(図7)をご覧ください。背の低い部品から先に装填すると作業が楽に行えますので、4本のジャンパーから装填します。筆者は抵抗の足をカットしたリード線で代用しています。

photo 図7 実態配線図

 次に2本の抵抗です。可変抵抗(半固定抵抗)を装填します。コレクタとベースはブレッドボードにそのままの間隔で差し込みますが、ベースは1つ穴をまたいで挿入します。電解コンデンサには極性があります。足の長いほうがプラスで短いほうがマイナスです。プラス側をトランジスタのベースと同じ列に挿入します。もう一方のマイナス側の足はPCからのオーディオ信号を入力します。

 最後にリレーです。実態配線図にはピンの位置が分かるように黒点を打っています。リレーの足は本来シーケンサーなどのソケットに差し込むように作られていますので、ブレッドボードに差し込むには少し大きいですが、少し強めに押し込めば入ります。ブレッドボードの穴が広がるのを気にされる方もいるでしょうが、その点はご了承ください。今回の実装ではLEDの点灯には片方の回路の1番ピンと3番ピンのみ使います。

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