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» 2014年11月21日 12時35分 公開

ハードウェアベンチャーをやるには、何が大事か?自動給餌器「PETLY」の生みの親、語る(2/3 ページ)

[加藤まどみ,MONOist]

資金調達のためにクラウドファンディングへ

――資金調達はどのように?

 初期投資には結局数千万円が必要になりました。そこでまず資金集めのためには、どんなものを作るか伝えなければということで、3Dプリンタでモックアップを製作し、「こういう暮らしを提供したい」というコンセプトムービーを撮影しました。さらにクラウドファンディングサイト「indiegogo」に出品しました。目標額を獲得することはできませんでしたが、日本の女性のアクセスが圧倒的に多く、購入者のターゲットを絞るのに役立ちました。

 さらにGoogleやYahoo、Facebookに広告を打ったところ、複数の投資家から連絡がもらえました。その後、事業会社からの資金を中心に出資を得た結果、発表してから1カ月後に資金の目標額を得ることに成功しました。

箱から出したところ。女性でも取り出しやすいように横開きにした。こんなところにも使用者への配慮が現れている

製品完成に感動

――製品が完成したときはいかがでしたか。

 製造チームでは話し合いの結果、「ボタンを1つにする」などの意見も出てきました。さらに騒音を抑えるなどの工夫もしつつ、部品の最終形状が決まったのは発売の2カ月前。そこから量産用の金型を製作して、試験も行い、発売ぎりぎりに完成にこぎつけました。初めて電源を入れた時は、「本当に家電を作ってしまった」と皆で感動しましたね。

スイッチは回転部分と中央の1つのみ。直感的な操作が可能になっている

――ネット販売以外では、代官山 蔦屋書店で販売していますね。

 2014年9月から展示販売してもらえることになり10台納入したところ、1カ月で全て売れてしまいました。今も、購入層を考えながら、インテリアショップやライフスタイルショップを中心に交渉して回っているところです。デザイン家電が置いてある店舗に実際に足を運んで、商品の回転率や売れ行きについて調査もしました。

――物流関連やカスタマーサービスについてはどうしているのでしょう?

 一括してネット販売の物流や出荷を代行するフルフィルメントサービスに委託しています。ここで在庫管理や発送、さらにカスタマーサポートも行っています。保管場所に専門担当者に常駐してもらうことで在庫が把握でき、また製品を見ながらカスタマーサポートを提供することも可能にしています。

海外展開も視野に

――海外展開については、いかがでしょうか。

 最初から海外展開しようと考えていたため、創業前に海外市場のマーケティングも実施しました。とはいっても日本で調べたり現地に行くのには無理があります。そこで利用したのが「oDesk」というクラウドソーシングサービスです。世界中の翻訳や調査などさまざまな業種のフリーランサーが登録しています。そこに、ニューヨーク、ロンドン、パリのペット市場とそのターゲットに関する調査を依頼しました。するとインドのムンバイ在住の人が申し込んできました。彼はペット飼育人口と3大都市のエリア属性、「どういった品種が飼われているか」についての調査を日本円で約2万5000円と提示してきたんです。

――それは安いですね。

 彼は元からそういったデータを購入して持っていたため、こちらの必要なデータはすぐ用意できたんです。2週間後に早速ソースも明記した結果が出てきました。だから僕の手元には「マンハッタンの、“どのエリアで”“どの品種が”多く飼われているか」といったデータがあるんです。

 さらに海外のデザイン関連サイトに紹介されるなど、海外にも知られるようになりました。するとニューヨークの女性から「どうしてもほしい」というメールが届きました。そこでPayPal(ペイパル)決済で海外でも購入してもらえるようにしたところ、お礼のメッセージと、すてきな部屋に置かれたPETLYの写真を送ってきてくれたんです。感激して、ぜひ使っている様子を見せてほしいとメッセージを送ると快く承諾してくれました。実際に私自身がニューヨークへ飛んでインタビューし、海外ユーザーのリアルな情報が得られました。

 現在は、オンラインストア上での全世界販売開始に向けて動いています。海外からも評価の高いWebデザイン会社のレターズに依頼して、PETLYのWebサイトをリニューアル準備中です。どんなWebサイトができるか楽しみですね。

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