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» 2014年12月04日 11時00分 公開

“3DプリンタのAndroid”になれるか!? オートデスク「Spark」のもたらす価値Autodesk University 2014(2/3 ページ)

[三島一孝,MONOist]

オートデスクが目指すもの

 3Dプリンタは大きな可能性を持っている。しかし現状のままでは、普及への課題が数多く残されたままだ。それを解決するため、オープンソースの枠組み作りを進めようというのがオートデスクの狙いだ。

 同氏は「データを作る、もしくは探してきて、3Dプリンティングの準備を行い、プリンティングを行う、というプロセス自体が複雑で洗練されていない。データの種類や機器の種類、それぞれの相性の問題などがあり、条件によってうまく造形できたり、できなかったりする。これが普及の課題の1つの要因になっている」と語る。

photo 3Dプリンティングの一般的なプロセス(出典:オートデスク)(クリックで拡大)

 そこで、これらの作業プロセスの複雑さを吸収できるプラットフォームの開発を目指す。これらのプラットフォームの開発には、ハードウェア面、ソフトウェア面、材料(マテリアル)面での革新が必要となるが、そのソフトウェア面でのプラットフォームとして開発したのが「Spark」となる。

photo Sparkによってつながる3Dプリンティング技術(クリックで拡大)

革新に必要な集合知

 同氏は「革新に重要なのは、多くの人から多くの情報を集めて、それを集合知として生かすことである。Sparkの目標は最終的に3Dプリンティング技術のさらなる発展を目指すものであるので、オープンソースであることが重要だった。機器開発メーカーが自由に活用したり、独自サポートなどを行ったりすることができる。APIも、自由に作成できる。さまざまな発展の土台となることができる」と語る。

 このSparkによるプラットフォームを利用することで、ハードウェアベンダーは消費者のニーズに応じた先進的な製品を、リソースを有効活用して開発することが可能になる他、ツールベンダーなどもより先進的な取り組みを行えるようになる。同氏は「スマートフォンがオープンプラットフォームであるAndroidをベースとして大きく発展したように、Sparkは3DプリンタのAndroidのような存在を目指す。標準的なプラットフォームを作ることで、イノベーションを支援し市場の進化させることができる」と話している。

photo Sparkは3DプリンタのAndroidを目指すという(出典:オートデスク)(クリックで拡大)

 既にこのエコシステムをサポートするため、米HPをはじめとした11社がパートナーとしてSparkの利用を決めているという(関連記事:強力タッグが誕生!? オートデスクとHPが3Dプリンティング技術で協業)。

photo Sparkのパートナー企業(出典:オートデスク)(クリックで拡大)

 またSparkの開発を進めるために「Spark基金」を設立。1億米ドルを用意し、3Dプリンティング技術の開発を進めるという。既に同基金により約400のアプリケーション開発を受理済みだとしている。「オートデスクがけん引力を持って革新を進めていく」と同氏は力を込める。

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