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» 2014年12月17日 11時00分 公開

インダストリー4.0概論(中編):インダストリー4.0の実現に必要な技術的要素は何か (5/5)

[三島一孝,MONOist]
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2020年までにビジネスモデルを確立

 SACではインダストリー4.0に関連する、R&Dロードマップを公開している。2020年頃までにビジネスモデルやバリューチェーン、現実世界と仮想世界を統合する仕組みやシステムエンジニアリングなどについては確立するとしているものの、他の研究テーマについては2035年頃まで継続的に続く見込みを示す。「長く幅広い範囲にわたって研究を進めていかなければならない」とザイデルマン氏は語る。

photo SACのインダストリー4.0関連のR&Dロードマップ(クリックで拡大)※出典:フラウンホーファーIPA

 フラウンホーファーIPAでも、これらのR&Dのロードマップに沿ってさまざまな技術開発を行っている。例えば生産データと各種情報をリンクさせメンテナンスなどに活用可能とする「eApps4Production」や、スマートコンポーネントの開発に貢献するロボット用のオープンソースOS「ReApp」などの開発を進めているという。

photophoto フラウンホーファーIPAが開発を進めているeApps4Production(左)とReApp(右)(クリックで拡大)※出典:フラウンホーファーIPA

インダストリー4.0はまだはじまったばかり

 フラウンホーファーIPAでは、インダストリー4.0による生産システムがリリースされるまでの段階を7つのステージに分けて示しており、これらのロードマップを経て実現されるものだと訴えている。それによると大部分の企業では、まだ第1ステージか第2ステージにある状況で、実際にカタチになって出てくるのはまだ先といえそうだ。ザイデルマン氏は「道のりは長いが、インダストリー4.0は荒唐無稽の話ではなく、実際に動き始めているものだ。実現でき得るものだと考えている」と述べている。

photophoto フラウンホーファーIPAが示すインダストリー4.0実現に向けた7つのステージ(クリックで拡大)※出典:フラウンホーファーIPA

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 後編では、SIヤーのピアーグループ(ドレスデン)社長であるマイケル・アーノルド(Michael Arnold)氏による講演「ITソリューション企業から見た第4次産業革命」について紹介する(後編に続く)。

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特別セッション『IoTとインダストリー4.0の世界』

OPC協議会グローバル OPC バイスプレジデント(OPC協議会ヨーロッパ代表)ステファン・ホッペ(Stefan Hoppe)氏

モノづくりを大きく変えようとしているドイツの「インダストリー4.0」。IoT(モノのインターネット)を含むICTの力を現場でフル活用した新たなモノづくりの姿は、どのようなものになるのだろうか。本講演では、このインダストリー4.0やIoT活用のカギを握る標準化で大きな力を発揮しているOPC協議会のキーマンに、インダストリー4.0が描くモノや実現へのステップなどを解説いただく。


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インダストリー4.0が指し示す次世代工場の姿

インダストリー4.0がもたらす製造業の変化

ドイツ政府が推進する国家プロジェクト「インダストリー4.0」。その目指すところは、現在よりも一段と高度化した生産システムです。同様のモノづくりのさらなる高度化に向けた取り組みは、米国や日本などでも巻き起ころうとしています。「インダストリー4.0が指し示す次世代工場の姿」特集では、「インダストリー4.0」が目指す姿や標準化の道のりなどを追うとともに、日本で高度な生産方法や生産技術に挑戦する動きを取り上げています。併せてご覧ください。


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