クラウド開発環境「mbed」の使い方とターゲットマイコンへの書き込み「mbed」で始めるARMマイコン開発入門(3)(2/4 ページ)

» 2014年12月18日 07時00分 公開
[今岡通博MONOist]

サンプルプログラムのビルド

 それでは実際に何かサンプルプログラムをビルドしてみましょう。mbedのサイト右上にある“Compiler”をクリックします。するとmbedの開発環境がWebブラウザ上に現れます。本来ならこの環境を使ってプログラムを作成するのですが、今回は誰かが作ったプログラムを自分のプログラムにインポートしてコンパイルしてみましょう。

 開発環境の上に並んでいるペインのうち“Import”を選んでください。するとimport wizardが現れます図7。今回はサンプルとしてLEDの点滅プログラムが欲しいので、画面右上のテキストボックスに“mbed_blinky”と入力してSearchボタンを押します。すると世界中のmbedユーザーが公開している「mbed_blinky」に該当するプログラムがリストアップされます。

photo 図7 プログラム“mbed_blinky”の検索結果

 今回は最も多くの人がimportした(実績のあると言っていいでしょう)プログラムを入手します。開発環境の左に「Program Workspace」といって自分のプログラムを管理する場所があります。そこに先にインポートしたmbed_blinkyが追加されたことが分かります図8

photo 図8 プログラムをインポートすると、画面左の「Program Workspace」に表示されます

 それではソースの中身を少しのぞいて見ましょう。「Program workspace」の「mbed_blinky」の+ボタンを押すとそのプログラムの中身が見えます。その中からmain.cppをクリックするとソースの中身が見えます。ここでは詳しく説明はしませんが、入手したプログラムは「LED1というピンを0.2秒間1にして、0.2秒間0にする動作を繰り返す」というものです。ですからLED1というピンに発光ダイオードをつなげば0.4秒間隔で点滅を繰り返します。

 それではこのプログラムをコンパイルして、ターゲットマイコンであるLPC1114で動作する実行ファイルを生成してみましょう。開発環境の中からCompileのペインをクリックします。するとコンパイラが実行ファイルを生成して図9が示す画面になります。

 コンパイルが成功すれば画面右下のDescriptionウィンドウに“->Success”と表示されます。また、Program Workspace下のダウンロード履歴のウィンドウにLPC1114の実行ファイル“mbed_blinky_LPC1114.bin”が表示され、ローカルPCのダウンロードフォルダにこのファイルが自動的にダウンロードされます。ダウンロードされるフォルダはお使いのブラウザーの設定で指定することができます。

photo 図9 LPC1114用の実行ファイルを生成

 とりあえず、ここまでの過程を経るとLPC1114でLEDを点滅させる実行ファイルを生成しローカルPCのダウンロードフォルダーにまで持ってくるところまで成功しました。あとはこのファイルをLPC1114に書き込めばLEDが点滅します。

関連キーワード

mbed | 開発環境 | マイコン | ARM | Internet of Things | mbed OS


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.