工作機械分野での躍進目指すジェイテクト、刈谷“再生”によりリードタイム半減FAニュース(1/2 ページ)

ジェイテクトは都内で事業説明会を開催し2014年度から開始した中期計画の進捗状況などを紹介した。本稿では工作機械・メカトロニクス事業の取り組みについて紹介する。

» 2014年12月24日 15時00分 公開
[三島一孝,MONOist]

 ジェイテクトは2014年12月22日、都内で記者説明会を開催し2014年度から開始した中期計画の進捗状況などを紹介した。本稿ではその中で、工作機械・メカトロニクス事業の取り組みについて紹介する。

 ジェイテクトでは2014年度(2015年3月期)から5カ年の中期経営計画を推進。主力となる自動車部品事業、軸受事業、工作機械・メカトロニクス事業の3事業において、5カ年計画を立て毎年新しい5カ年計画と入れ替えながら事業を推進している。

 同社の工作機械・メカトロニクス事業は、研削盤、切削機械およびマシニングセンター、制御システム機器の主に3つの製品分野を扱う。これらの製品領域において、業界におけるポジショニングが異なっているのが現状だ。例えば研削盤については、業界内でも高いシェアを獲得しているのに対し、切削機械やマシニングセンタは顧客とする業界が限られていた状況だ。また、制御システムについては上位企業から水をあけられているという。

photo ジェイテクト 取締役社長の安形哲夫氏

 これらの中で同社では、「顧客から信頼される真の総合生産システムサプライヤー」を目指す姿とし、2018年度(2019年3月期)に向け、製品領域や営業領域の拡大を進める方針だ。

 同社 取締役社長の安形哲夫氏は「顧客ニーズに合った製品を提案し顧客のモノづくりに貢献することを目標に取り組みを進める。具体的には営業力、商品力それぞれの強化を進めるとともに、主力の刈谷工場の再生を主軸としたモノづくり改革を行う」と語る。

営業領域の拡大を推進

 具体的には、営業面ではマーケティング強化によるターゲットの見直し、販売技術力強化のための販売網整備、アフターサービスのビジネスモデル確立などに取り組む。また製品面では、高付加価値製品への進出や、設計プロセスの標準化などを行う。モノづくり革新では、主力の刈谷工場における革新活動「刈谷ReBORN」により、2018年度にはリードタイム半減、生産性1.5倍を実現することを目指す。

photo ジェイテクトが工作機械・メカトロニクス領域で目指す拡大の姿(クリックで拡大)※出典:ジェイテクト

 既に2014年度第2四半期(2014年4〜9月)までに新たな取り組みの成果も出つつある。営業面では、特定顧客や特定ワーク依存からの脱却として従来の営業領域の拡大を推進。同社では自動車のエンジン関連の研削盤で大きなシェアを確保しているが、研削盤領域では、新型機種の投入や販売網の再構築、商社や代理店の活用などに取り組む。

 一方、新たにギヤ加工市場に参入。ギヤの新工法(スカイビング加工技術)を開発し量産化に成功。汎用機および加工技術をパッケージ化することで「多品種小ロットの生産方式における効率を大幅に高められる」と安形氏は語る。

 さらに、販売技術体制や強化やショールームの見直しにより、営業提案力を高めていく。また、CNC円筒研削盤や横形マシニングセンタに新機能を追加し、価格改定も含めて販売体制を強化。金型や航空機市場での拡販を推進するとしている。

photo ジェイテクトの製品投入状況(クリックで拡大)※出典:ジェイテクト
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