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» 2015年01月06日 11時00分 公開

「プリウス」の進化を支えた開発マネジメントの裏側FTF Japan 2014 基調講演リポート(3/4 ページ)

[陰山遼将,MONOist]

次世代を担うモーターへのこだわり

 アクアのハイブリッドシステムは、3代目プリウスのものと比較して、エンジンのサイズは51mm、トランスアクスルは21mm、バッテリーは148mm小型化している。また、それぞれの重量は16.5kg、8kg、11.0kgの軽量化に成功している。さらに、バッテリーをリヤシートの下部に配置するなど、車体の設計にも工夫を凝らし、走行燃費が10・15モードで40.0km/lという性能と、車内スペースの確保を両立させた。嵯峨氏は、こうしたアクアのハイブリッドシステムの小型化に関する取り組みの一例として、新型モーターの開発事例を紹介した。

3代目プリウス(写真左)とアクアのハイブリッドシステム(写真右)の比較。写真は「東京モーターショー2011」で展示されたもの

 アクアのトランスアクスルに搭載されている新型モーターには、断面が長方形の銅線を巻き付ける新方式が採用されている。これにより、従来のプリウスで採用されていた断面が円形の銅線を使うモーターと比較して、空間を効率的に利用できる。さらに、その巻き方にも特徴があり、鳥かごを編むように銅線を巻き、そのなかにステータコアを差し込むという構造になっている。事前に銅線の最終形状が決まるため、従来の後から銅線を巻く方法と比較してコイルエンドを小さくできるというメリットがあるという。

プリウスとアクアの発電機とモーターの比較図(左)。新型モーターのアクアへの採用は、通常より1年以上遅いタイミングで決断されたという(右)(クリックで拡大)出典:トヨタ自動車

 嵯峨氏はこの新開発のモーターについて「アクアへの採用を決断したのは、通常の開発工程と比較して1年以上遅い段階だった。それでも採用を推し進めたのは、次世代技術を前倒しすることで、ハイブリッドシステムの大幅な小型・軽量化を図りたいという理想を追求したかったからだ」と説明する。

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