連載
» 2015年01月13日 10時00分 公開

zenmono通信:「空飛ぶ車を作る」。未来の夢じゃなくて、現実のお話 (2/3)

[zenmono/MONOist]

enmono三木氏 そもそもenmonoと中村さんとの出会いは、学生フォーミュラの先輩だった方から「空飛ぶ車を作りたい人がいる」と紹介していただいたんですけれど。中村さんは実績があり、仲間がいるという強みがあります。でも、お話を伺う前は正直……。

中村氏 やはり最初は、懐疑的なリアクションをされます。

enmono三木氏 空飛ぶ車のコンセプトは、皆で決めたのですか?

中村氏 はい。いろいろな方からアイデアをいただいたり、100個くらいアイデアを出した中で一番、皆が納得したものでしたね。ディスカッションの合宿をやるために、四国まで行ったりしました。移動中、「人はなぜ移動するのか」と考えたり、車の価値を考えたり。本質的なところを突き詰める議論をしていく中で「自分の使命は何か」と考えるようになり、「自分がもらってきた夢を次の世代に同じように提供していくことが私の使命」と気付いたのです。空飛ぶ車のコンセプトが出てきて、自分たちもハングライダーで飛ぶ体験をするなどした結果、「次世代の子どもたちに夢と憧れを提供できるもの」として空飛ぶ車を開発することに決めました。

enmono三木氏 次の世代につなぐため、夢のあるコンセプトになったのですね。

中村氏 海外では既に、空を飛ぶ車があります。ただし、それらは羽を閉じて道を走っていて、飛ぶ時は滑走路へ行って羽を広げなければなりません。サイズが大きく、着陸時の場所に制約があり、公道からも離陸不可。そして、飛行機並みの操作技術が必要です。そうなると、プライベートジェットを道でも走れるようにした感覚なのかなと思っています。我々が狙っているのは長距離ではなく近距離で、小さくて、誰もが自由に空を飛べるものです。もしかしたら、タイヤがなくてもいいかもしれないですし。

enmono三木氏 タケコプターのような。

中村氏 究極的には近いですね。SkyDriveは小型の1〜2人乗り自動車と、マルチコプターという複数の羽を持つヘリコプターと、セグウェイのように体重移動で直感的に操作できるものを組み合わせて、世界最小サイズで、公道からの離陸が可能で、直感的な操作で飛べるようにします。

enmono三木氏 1人乗りですね。

中村氏 特徴としてはプロペラが4つある間、横に2つと前に1つタイヤがあります。3輪ですね。それによってなるべく間隔をつめて、人がぎりぎり乗れるサイズにします。

enmono三木氏 乗るところは密閉されるのですか?

中村氏 高くても10メートルのところを飛ぶことを考えて、むしろ、オープンにしようと思っています。風を感じることができて、万が一の時にすぐに脱出できます。リスクについては皆さん心配されるので、簡単に説明させていただきます。墜落のリスクについては、乗っている人はパラシュートを付けて守るようにします。また、2段のプロペラ構造にして、片方が機能しなくなっても飛べるようにします。空中事故に関しては、最終的には自動運転のような機能も必要になるのではと考えています。

enmono三木氏 5分の1の試作機を作ってメーカーフェアに出展された時、どのような反応でしたか?

中村氏 2014年の8月に大垣、9月にニューヨークのモノづくりの祭典に出展して、多くの方から「ぜひ実現してほしい」という言葉をいただきました。ニューヨークでは会場の都合で試作機を飛ばせませんでしたが、映像を見ていただきました。子どもが驚いた目で食い入るように見てくれて、お母さんが「将来、これに乗るのよ」と言っていました。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.