連載
» 2015年02月20日 09時00分 公開

RPGクリアに欠かせないアイテム管理と在庫管理RPGで理解する生産管理(2)(3/5 ページ)

[山口亨/UTAGE総研 代表取締役,MONOist]

清潔(Seiketsu)

 「清潔」とは、先の「3つのS(整理、整頓、清掃)」を維持することです。整理、整頓、清掃が常に維持されていれば、ムリ、ムダ、ムラといった現場の3悪が、誰の目にも分かるようになります。日々汚いところにいれば、その状態に慣れて気付かなくなってしまいます。しかし、日々きれいな状態に保たれているところに、汚れやゴミが発生すれば、すぐに気になり対処できるはずです。

 ちなみに、アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリング博士により提唱された「割れ窓理論」という理論があります。これは1枚の割れた窓ガラスを放置すると割られる窓ガラスが増え、その建物全体が荒廃して街全体が荒れてしまうというものです。

 ちょっと面倒だからと後回しにしていたアイテム整理が、積もり積もって、アイテムリストが見づらくなって、所持しているアイテムが分からなくなり、探すのが面倒になってしまう……。時間がかかるので、途中でプレイする気がなくなってしまう……。そうなったら、クリアどころではなくなります。クリアできなかったRPGでは、どういう問題点が発生していたのか、もう一度振り返ってみてもよいかもしれません。

しつけ(Shitsuke)

 「しつけ」とは、職場の規律を守り、決めたことを実行し続けることです。しつけで求められることは、高度な規律の実行ではありません。あいさつや掃除など、ごく当たり前のことを実行するだけです。また、一度決めたことは、どんな立場の人であっても例外なく守ることを徹底しなければなりません。規則を決めた社長だけは例外で「あいさつや掃除をしなくていい」なんてことになれば、現場の士気は下がるのではないでしょうか。継続した「しつけ」とは、その行為を習慣にするということです。誰もが継続できるようになるために、無意識に行動できるまで落としこむことが必要です。そのため、規則は「ごく当たり前の、誰しもが実行可能なもの」でなければならないのです。

 複数でプレイするゲームの場合、みんなが好き勝手にプレイすればレベルは十分であっても敵に負けるということが起こり得ます。仲間が1つのチームとして機能するように、仲間内でのルールをより具体的に決めていかなければなりません。それをさらに「整理、整頓、清掃、清潔」のような日常の仕組みとして確立させて、徹底する必要があることを理解できるのではないでしょうか。

目で見る管理

 これらの5Sが行き届くようになれば「目で見る管理」を実現できるようになります。特にこの管理手法は、5Sの「整理」の段階で整える管理体制です。在庫や道具、備品類のある場所がひと目で分かり、出し入れしやすいように整えることで、なんらかの異常(欠品など)が発生していたら、誰でもすぐに分かるような仕組みです。

 異常に気づいたら、すぐに行動に移すことで、時間や在庫、顧客からの信用など、さまざまなロスを低減することができます。例えば、在庫、仕掛品を、目で見て、すぐに分かるようにしておけば、在庫が多い、少ないといった状態を、常に意識することができます。また、治工具をひと目で分かるようにすれば、探すロスが減り、作業効率も向上します。製造現場では、この「目で見る管理」も、意識して取り組んでいく必要があります。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.