スマホを扉のカギにする、後付けスマートロック「Akerun」スマートロック

フォトシンスはドアのサムターン(つまみ)の上に取り付けることで、スマートフォンからカギの開錠/施錠ができる“スマートロックロボット”「Akerun(アケルン)」を発売する。

» 2015年03月23日 16時00分 公開
[渡邊宏MONOist]

 フォトシンスは2015年3月23日、ドアのサムターン(つまみ)の上に取り付けることで、スマートフォンからカギの開錠/施錠ができる“スマートロックロボット”「Akerun(アケルン)」を同年4月23日より販売開始すると発表した。価格は3万6000円(税別)。

 AkerunとスマートフォンはBluetooth LEによる通信が行われ、スマートフォンを持ちドアの前で専用アプリを操作することでカギを開けられる。Akerun自体がオートロック機能を有しており、対応するカギ(サムターン)は美和ロックのLA、MA、BHおよびゴールのLX、HD。搭載する電源で約2年間の利用が可能だ。アプリの対応OSはiOS7以上、Android 4.4以上。

photo ドアの内側、サムターンに取り付けた「Akerun(アケルン)」
photo Akerunの内側

 取り付けはAkerun本体をドア内側のサムターン上に貼り付けるだけ。アプリからは開錠動作の他、開錠権限の受け渡しも行える。アプリで発行したカギ(開錠権限)はメールやLINE、Facebookなどでシェアできる。合鍵をLINEなどメッセージングアプリで渡すイメージだ。開錠権限は時間制限を付けることもできる。

 利用者には24時間365日のサポートを提供し、スマートフォン紛失時などの際には、クレジットカードと同様に電話で利用停止する。提供するのは利用停止までとなり、扉を開けるサポートは提供していないため、扉を開ける際には家族や友人のスマートフォンにAkerunアプリをインストールしてもらってゲストユーザーになってもらい、解錠操作をしてもらう必要がある。

photo 電源は単三形乾電池4本。既存カギとの併用も可能だ

 Akerunは開閉記録の記録も可能であり、時間を限定しての開閉権限委譲も可能であることから、一般住宅の他、ホテルや不動産物件の内覧、コワーキングスペース、オフィスや店舗のタイムカードとして利用することも可能だとしている。Akerun本体に外部ネットワークへの接続機能は搭載していないため、開閉記録は本体メモリに記録され、必要に応じてスマホアプリ側へも記録される形となる。提供されるWeb管理画面からはユーザー管理や利用履歴確認、複数ユーザーへの権限変更などが行える。

 機器の特性を生かし、NTTドコモ・ベンチャーズの新事業「39HOTELS」や三井不動産の「どこでもオフィス」が試験運用を実施する他、不動産・住宅情報サイト「HOME'S」を運営するネクストも試験導入し、「不動産内覧時の問題である“電話での日程調整”と“カギの受け渡し”を解決できる」(ネクスト 代表取締役社長 井上高志氏)と期待する(*)。

 フォトシンスの河瀬航大氏(同社代表取締役社長)は電子鍵の市場だけではなく、ホテルフロント業務、店舗防犯・勤怠管理、不動産仲介、レンタルスペース市場での導入を狙いスマートウオッチへの対応も予定する他、「ドアの開閉をキーとしてさまざまな体験を提供してくれる、“ドア一体型ロボット”“コンシェルジュ”のような存在にしたい」と、Akerunのロボット化(多機能化)を将来の構想として掲げた。

photo フォトシンスがAkerunで狙う市場
photo Akerunを手にするフォトシンスの河瀬航大氏(同社代表取締役社長)

(*初出時、ネクストのついての記述に誤りがありましたので訂正いたしました 2015/03/23 19:10)

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