メルセデス・ベンツがSUVに新ネーミング、第1弾「GLE」が登場ニューヨークモーターショー2015 リポート(2/4 ページ)

» 2015年04月10日 09時00分 公開
[川端由美MONOist]

米国大富豪由来の建物で「GLE」をプレビュー

 今回のニューヨークショーに併せて発表されるGLEというモデル名は、先に登場していたクーペ版から使われている。このGLE、事実上は従来のMLにフェイスリフトを施した新型車だ。そしてSUVラインアップ刷新における第1弾となる。

 プレビューイベントが行われたのは、米国最初の大富豪にして、今も巨大な資産を所有するアスター家に由来する建物。その中に入ると新型GLEが並んでいた。丸みを帯びていた先代と比べると、GLやGLKとイメージを共有するボクシーなスタイリングになり、水平基調のグリルや切れ長のヘッドランプなど、ゴードン・ヴァゲナー氏がデザイン部門を率いて以降の“メルセデス顔”になった。踏ん張り感のあるフォルムに加えて、2本出しのエグゾーストエンドを統合したリヤバンパーやルーフレールが力強さを強調している。

プレビューイベントで初披露された「GLE」 プレビューイベントで初披露された「GLE」。手前がプラグインハイブリッド車の「GLE 500 e」、奥側がガソリンエンジン車の「GLE 350 4MATIC」(クリックで拡大) 出典:ダイムラー

 GLEはパワートレインの違いによって5車種が用意されている。これらのうち2車種は、ディーゼルエンジンモデルであり、最も環境性能の高い「GLE 250d」はCO2排出量が140g/kmと、コンパクトカー並みの低燃費を誇る。排気量2l(リットル)の直列4気筒ディーゼルエンジンと9速AT「9Gトロニック」との組み合わせにより、最高出力150kW/最大トルク440Nmを生む。その一方で、NEDC(New European Driving Cycle:新欧州 ドライビングサイクル)燃費は5.4l/100km(4WDモデルは5.7l/100km)まで向上している。

 もう1機種は、最高出力190kW/最大トルク620Nmを発揮するV型6気筒ディーゼルエンジンを積んだ「GLE 350d」だ。制御ユニットやターボチャージャーの最適化に加えて、EGRをオンデマンドで制御できるオイルポンプの回転ベーンを採用することにより、排気ガスをクリーンにし、燃費性能を向上させた。実際、9Gトロニックとの組み合わせでは、6.4l/100kmと燃費性能は良好だ。

「GLE 350 4MATIC」のエンジンルーム 「GLE 350 4MATIC」のエンジンルーム(クリックで拡大)

 ガソリンエンジン車はV型8気筒とV型6気筒エンジンのモデルを用意。これに、今回の目玉であるV型6気筒エンジンを用いるプラグインハイブリッド車が加わる。米国で人気のある、排気量4.7lのV型8気筒エンジンモデル「GLE 500 4MATIC」は、最高出力320kW/最大トルク700Nmで、圧倒的なパワフルさを誇る。ガソリンエンジン車のエントリーモデルとなるのは、最高出力245kW/最大トルク480Nmを生む排気量3lのV型6気筒エンジンを積んだ「GLE 350 4MATIC」だ。ただし、CO2排出量はそれぞれ258g/km(燃費で11l/100km)、209g/km(同8.8l/km)と、相応に大きな値を指している。

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