医療用の輸液バッグ外装材向けの高耐久性透明バリアフィルムを開発医療機器ニュース

大日本印刷(DNP)は、輸液バッグの外装材向けに、同社独自の化学蒸着技術で製造したバリアフィルム「DNP透明蒸着フィルム(IBフィルム)」を開発した。折り曲げなどに対する耐久性に優れ、バリア性の劣化が少ないという。

» 2015年04月22日 08時00分 公開
[MONOist]

 大日本印刷(DNP)は2015年4月7日、輸液バッグの外装材向けに、同社独自の化学蒸着(以下、CVD)技術で製造したバリアフィルム「DNP透明蒸着フィルム(IBフィルム)」を開発したと発表した。

 医療用の輸液の容器は、ビンやプラスチック容器から、薬品名・内容物などが印刷されたプラスチックフィルムを使用した輸液バッグへと切り替えられつつある。従来、輸液バッグを入れる外装材には、内容物である水分・電解質や栄養素などが水蒸気・酸素などで劣化するのを防ぐため、プラスチックフィルムにバリア性の高いアルミを貼り合わせたものを使用していた。しかし近年では、内容物が確認できるよう、高い耐久性を持つ透明バリアフィルムが求められているという。

 IBフィルムは、食品向け透明バリアフィルムのCVD技術を応用して開発。折り曲げなどに対する耐久性に優れ、バリア性の劣化が少ないため、水分・電解質や栄養素などを患者に点滴で投与する医療用の輸液バッグの外装材に採用された。

 また、水蒸気や酸素に対する高いバリア性により、内容物の劣化を防ぐことができる。さらに、アルミを蒸着した従来の透明バリアフィルムに比べ、耐久性が約20%向上。透明性も高く、内容物を目視で確認することも可能だ。

 同社では、IBフィルムを国内外の輸液バッグを製造する医療・医薬品メーカー向けに販売し、2018年までに10億円の売り上げを目指すとしている。

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