超小型EVの普及に向けたオープンプロジェクト、3Dプリンタで外装パーツも自由に電気自動車

トヨタ自動車は、超小型電気自動車(EV)「TOYOTA i-ROAD」の本格的な実用化に向けた新たな取り組みを、2015年7月から東京都内で1年間実施すると発表した。

» 2015年05月07日 16時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 トヨタ自動車は2015年5月7日、同社の超小型電気自動車(EV)「TOYOTA i-ROAD(以下、i-ROAD)」の本格的な実用化に向けた新たな取り組みを、同年7月から東京都内で1年間実施すると発表した。

 この新たな取り組みは、駐車や充電時における利便性の向上や、i-ROADの魅力を高めるパーツのカスタマイズなどについて、特有の知見や技術を持つ企業および一般の生活者と協力して進めることを目的としている。名称は「OPEN ROAD PROJECT」で、特設Webサイトも開設されている。

トヨタ自動車の「i-ROAD」「OPEN ROAD PROJECT」のロゴ トヨタ自動車の「i-ROAD」(左)と「OPEN ROAD PROJECT」のロゴ(右)(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

 今回のOPEN ROAD PROJECTの施策は主に3つに分かれている。1つ目は、i-ROADの特徴である二輪車に近いサイズを生かし、スペース時間貸しを営む企業や都心にある商業施設を運営する企業とともに狭小スペースや空きスペースを発掘し、i-ROAD専用の駐車スポットとして運用することだ。また、一般家庭用のAC100V電源で充電できる機能に合わせて、i-ROADの駐車スポットで利用できる電源供給コンセント口の発掘も併せて進め、その一部を充電可能な場所として運用する。

狭小スペースの駐車スポットとしての活用事例空きスペースの駐車スポットとしての活用事例 狭小スペース(左)や空きスペース(右)の駐車スポットとしての活用事例。100V電源からの充電も可能(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

 2つ目は、i-ROADのパーツのカスタマイズである。“パーソナルモビリティ”として位置付けられるi-ROADを、利用者がより自分らしく楽しめるように、ボディパーツの一部を3Dプリンタなどを使って作成した好みの色や表面加工などを施したパーツに交換できるようにする。

「i-ROAD」のパーツ交換可能な部位パーツの例 「i-ROAD」のパーツ交換可能な部位(左)とパーツの例(右)(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

 3つ目は、1つ目の施策で発掘した駐車スポットや充電スポット、2つ目の施策におけるパーツ交換を含めて、東京都内在住のモニター参加者に利用・評価してもらう施策だ。i-ROADを10台使用して、有識者やクリエーターを含めて総勢100人に、それぞれ1カ月程度貸し出す。駐車スポットや充電スポットに関しては、モニター参加者や企業からの提案を随時反映させていく。パーツのカスタマイズの企画開発も、同様のプロセスで進める。このため、取り組みの名称に“オープン”を加えたとしている。

 なお、i-ROADのモニター参加者の募集は8期に分けて行われる(東京都内在住、普通自動車免許保有者限定)。第1期は、募集期間が2015年5月7〜24日で、実施期間が同年7月4日〜8月1日。OPEN ROAD PROJECTの特設Webサイトから申し込める。

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