食わず嫌いを直そう、統計分析での「4つのデータ分類」(その2)山浦恒央の“くみこみ”な話(74)(3/3 ページ)

» 2015年05月29日 07時00分 公開
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5 データの種類の判別法

 計測した数値が上記の4分類のどれになるか、簡単に見分ける方法を以下に解説します。

  • (1)名義尺度

 他の値と区別するための数字なので、数値を「a」「b」「c」に置き換えられる。加減乗除はできない。

  • (2)順序尺度

 数値を「a」「b」「c」に置き換えられないが、数値の大きさ(順番)の大小のみに意味があり、数値は等間隔で並ばない。生データとして「3.8」など、小数点のついた値はない。加減乗除はできない。

  • (3)間隔尺度

 原点(例えば0や1)は決まっていないが、数値は等間隔で並ぶ。小数点のついた値がある。加算、減算はできるが、乗算と除算はできない。

  • (4)比例尺度

 原点(例えば0や1)が決まっていて、数値は等間隔で並ぶ。加減乗除が可能。

6.終わりに

 今回は、4種類のデータの尺度を説明しました。データを解析する前に、計測したデータがどの尺度に相当するか考え、それに合った計算手法を用いることが重要です。質的データと量的データを混合して計算することは非常に危険です(特に、順序尺度)。細心の注意を払ってデータを分類する必要があります。

 統計アレルギーを解消するには、1つ1つの事柄を理解していく事にあると思います。焦らずゆっくり学習しましょう。

参考文献

『まずはこの一冊から 意味がわかる統計解析』 (涌井貞美 著、2013年、ベレ出版社)

『演習で学ぶソフトウエアメトリクスの基礎 ソフトウエアの測定と見積もりの正しい作法』 (リンダ・M・ライルド、M・キャロル・ブレナン著、2009年、日経BP社)

『ソフトウェアテスト技法』 (ボーリス・バイザー著、1994年、日経BP社



【 筆者紹介 】
山浦 恒央(やまうら つねお)

東海大学 大学院 組込み技術研究科 准教授(工学博士)


1977年、日立ソフトウェアエンジニアリングに入社、2006年より、東海大学情報理工学部ソフトウェア開発工学科助教授、2007年より、同大学大学院組込み技術研究科助教授、現在に至る。

主な著書・訳書は、「Advances in Computers」 (Academic Press社、共著)、「ピープルウエア 第2版」「ソフトウェアテスト技法」「実践的プログラムテスト入門」「デスマーチ 第2版」「ソフトウエア開発プロフェッショナル」(以上、日経BP社、共訳)、「ソフトウエア開発 55の真実と10のウソ」「初めて学ぶソフトウエアメトリクス」(以上、日経BP社、翻訳)。


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