企業や教育機関の要望に応えたパーソナル3Dプリンタ新製品を発表3Dプリンタニュース

ムトーエンジニアリングはパーソナル3Dプリンタの新製品「MF-2200D」を発表した。企業や教育機関から従来機に寄せられた造形精度や速度に関する要望に応えた。

» 2015年06月08日 15時00分 公開
[小林由美MONOist]

 ムトーエンジニアリングは2015年6月8日、同社が開発するパーソナル3Dプリンタの新製品「MF-2200D」を発表した。同製品は同年7月から販売開始する。販売価格は50万円(税別)。

 同製品は従来機「MF-2000」(関連記事:業務用途でも使えるパーソナル3Dプリンタ「MF-2000」の出荷開始)と同じ造形サイズ(最大造形サイズ:300mm×300mm×300mm)で、自社開発の高速ヘッドを搭載し、造形精度も高めたモデルだ。MF-2000は企業や教育機関での利用が多く、造形精度や速度に対する要望が多く寄せられたという。MF-2200Dはその声に応えるべく開発されたとのことだ。

MF-2200D

 同製品は大熱容量を安定的に維持できる自社製ヘッドを搭載することで造形スピードが向上したという。

デュアルキャリッジ方式を採用した高速デュアルヘッド

 また「デュアルキャリッジ」方式を取り入れ、造形精度を向上させた。同方式では、2つのヘッドが分離しており、それぞれのヘッド部分は作業終了後に造形エリアから離れて待機する。それによりヘッドの軽量化による軸移動の高速化と、異なるフィラメントによる造形作成時に発生しやすい「ゴミ」の付着を抑える効果が期待できるということだ。

造形サンプル

 筐体の剛性もさらに向上させ、造形時の振動軽減にも配慮することにより、X、Y、Z軸のズレを最小限に軽減し、積層厚で50μmの高解像度造形を実現。ヒーター付き造形テーブルなど、造形物の定着を安定させる機能も、従来機と同じく採用している。

 MF-2000で採用していたテーブルをY軸で移動させる方式から、XY軸を固定させZ軸としてテーブルを上下移動する駆動方式に変更し、さらなる安定造形と静粛性もかなえた。

 全面上部に配置されたフィラメントリールは、デザイン性よりも機能性を重視し、フィラメント交換や積層中の状況を把握しやすいように設計したという。また電気回路ブロックと造形エリアを分離したことにより、クリーニング作業や、メンテナンスをしやすくした。

 同社では初年度販売台数として1千台を想定する。

 なお同製品は販売開始に先立ち「西日本製造技術イノベーション2015」(会期:同年6月17〜19日/場所:西日本総合展示場 新館)、「設計・製造ソリューション展」(会期:同年6月24〜26日/場所:東京ビッグサイト)で参考出展を予定している。

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