特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2015年06月17日 07時00分 公開

MIPSのIoT“秘密組織”「prpl Foundation」IoT観測所(10)(2/3 ページ)

[大原 雄介,ITmedia]
  • Prplwrt

 OpenWrtをベースにしたprpl用ディストリビューションの開発。OpenWrtはルータなど組み込み機器向けのOSとして開発されているLinuxディストリビューションの1つで、正式版はBarrierBreaker 14.07、開発版はChaos Calmer 15.05-rc2が現在リリースされている。対応しているプラットフォームはこちらに示されている通り、ARM/MIPS/PowerPC/x86と幅広くサポートされており、一見不足は無いように思える。

 よく見るとMIPSはSiByte SB1やCobalt Microsystems、Alchemy 1500/1550、果てにはTexas InstrumentsのAR7まで並んでおり、全体的にサポートされているチップが古い事が分かる。そこでOpenWrtのprpl用Branchを作り、ここで新デバイスのサポートや機能追加などを図ろう、というものである。

 ただこちら、具体的な活動状況が見えていない。次のQEMU PEGに関してはbranchが生成され、そこに新コードが追加されているのに対し、現時点でPrplwrtに関しては新branchは特に無く、OpenwrtのCommunity Releasesにも当該しそうなものが見当たらない。あるいはまだ水面下で開発中なのかもしれないが。

  • prpl QEMU

 こちらもオープンソースのQEMUのprpl版の開発である。QEMUは要するにプロセッサエミュレータで、こちらもマルチプラットフォームに対応している。またプロセッサ単体でなく、周辺回路まで含めたマシン全体のエミュレーションも可能となっている。そのQEMUであるが、最新リリースの2.3でも、やっとMIPS 32/64 Release 2に対応したという程度で、既にMIPS 32/64 Release 6に達している昨今のImagination Technologyのラインアップに追いついていない。

 このあたりが最大の問題とprplは考えているらしく、QEMUへのMIPS 32/64 Release 6への対応を行ったbranchを作成している(MIPS QEMU MIPS64R6)。まだ公式アナウンスはないが、Active branchesの中にmicroMIPS-r6-PRIP50があるのは、Imagination TechnologiesのWarriorシリーズ M-Classコアへの対応を意識したものと思われる。

  • Security PEG

 PEG設立のリリースによれば、目的は「現在のソフトウェアベースの仮想化から、完全なハードウェアベースの仮想化へのロードマップを立てること」である。このハードウェアベースの仮想化は、GPU/GPU/NPUなどのマルチドメインの要素を含むヘテロジニアスSoCを完全にサポートするとの事だ。またさまざまなセキュリティスタック向けに必要となるAPIを提供することも含まれるとしている。

 ちなみに現状は、発表のあった2015年3月23日に初回のミーティングを開催したこと、2回目のミーティングが4月6日に予定されたことのみが明らかにされており、その後の進捗は明確ではない。ただ、これとは別にImagination Technologiesは2015年5月20日にOmniShieldという新しいセキュリティのテクノロジを発表しており(イマジネーション、次世代のSoCセキュリティを可能にする「OmniShield」テクノロジーを発表)、この中に「prplセキュリティワーキンググループは、全般的なセキュリティフレームワーク、オープンAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)、マルチドメイン技術をサポートするリファレンスプラットフォームを提供するために作業しています」という一文があるあたり、水面下で作業が進んでいると想像できる。

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