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» 2015年07月08日 11時00分 公開

DMS2015リポート【3Dプリンタ編】:レーザー、電子ビーム、インクジェットなど各方式の金属3Dプリンタが大集結! (2/3)

[加藤まどみ,MONOist]

レーザー方式で真空対応

 「RaFaEl(ラファエロ) Vシリーズ」の実機を展示していたのがアスペクトだ。

 新たに真空対応で、最大造形サイズ300×300×250mmの装置を発表した。「真空対応したことにより粉末の酸化を防ぎ、ワークの純度を高められる。他社にはレーザー方式で真空対応した装置はない」(アスペクト)。


真空チャンバを採用する「RaFaEl Vシリーズ」 真空チャンバを採用する「RaFaEl Vシリーズ」
トカゲ義足 東京大学 生産技術研究所 山中研究室らとの共同プロジェクト。トカゲは蛇腹のように伸び縮みする(左)/スポーツ用義足(右)。東大では人体にフィットするツールを考えており、アスペクトでは最適な材料を提供するという 画像クリックで拡大表示

切削と3次元積層の複合加工機

 松浦機械製作所では、切削加工と3次元積層の複合加工機「LUMEX Avance-35」を紹介していた。3次元造形の途中に切削加工を施すことで、切削では不可能な複雑な形も高精度で作れるのが特長。金型への利用が多いという。一体化した金型を作ることで手間が減り、3次元ならではの自由な温調配管の配置も可能になる。

3パーツの電動工具の金型。温調のための水管を内部に張り巡らせている 3つのパーツで構成される電動工具の金型。温調のための水管を内部に張り巡らせている

電子ビーム式の金属3Dプリンタ

 スウェーデンのアーカム社製の電子ビーム方式の金属3Dプリンタを紹介していたのが、エイチ・ティー・エルである。金属粉末焼結はレーザー方式が主流だが、アーカム社の3Dプリンタは、真空下で電子ビームを用いて金属粉末を焼結していく。「他に電子ビーム方式で商品化されているものはない」(エイチ・ティー・エル)。

 レーザーに対するメリットは、鋳物よりもはるかに強度があり、鍛造並みの強度を実現できることだという。また、予熱を行うため残留ひずみが少なく、最大3500Wと高出力で造形スピードが速いという。また、レーザー方式では土台にしっかりとワークが付いており、造形後の処理が大変だが、電子ビームではサポートを取るだけで簡単に処理できる。一方、デメリットとしては、真空中でワークを冷やす必要があるため、冷却時間が長くなる。そのため、ワークが小さいと速さを生かせないという。また、適応材料が少ないという点もデメリットとして挙げられる。

 「構造材ならレーザーで問題ない(タービンでいえば固定翼やケーシング)が、機能材料(動翼)では不足するといわれている」(エイチ・ティー・エル)ため、電子ビーム方式はガスタービンメーカーなどが検討しているという。

犬の骨の補強材象のためのインプラントタービンブレード 犬の骨の補強材(左)、象のためのインプラント(中)、タービンブレード(右) ※画像クリックで拡大表示

インクジェット方式の金属3Dプリンタ

 ここまでは、主にパウダーベッド上にレーザーを照射する方式を紹介してきたが、ExOneが提供するのはインクジェット方式だ。バインダによって粉末を固めて塊を作った後に、別の炉で焼結するという。なお、同社では同じ方式で砂型の3Dプリンタも提供している。ブースでは「M-Flex」の実機を展示していた。通常のレーザー方式は不活性ガスまたは真空中で造形するが、同社製品は大気中で出力する。レーザー方式よりも高速であることがメリットだという。

「M-Flex」の実機をデモを披露 「M-Flex」の実機をデモを披露
造形サンプル造形サンプル 「M-Flex」で出力した造形サンプル 画像クリックで拡大表示

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