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» 2015年09月30日 10時00分 公開

3次元って、面白っ! 〜操さんの3次元CAD考〜(46):無償3D CGソフト「Blender」の操作 超基本 (3/3)

[水野操 テクノロジーコラムニスト/3D-GAN,MONOist]
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帽子をモデリングしてみよう

 では、ここからはもう少しモデリングの手順を細かく見ていきましょう。ここでの題材はシルクハットっぽい帽子にします。CADであれば、断面をスケッチして回転一発でできてしまう形状です。もちろん、CGでもそんな作り方ができないわけではありませんが、ここでは、もっとポリゴンの流れなどを意識しながら作ってみようと思います。

 まず、プリミティブの円柱を12角形で作成します。ここでは特に大きさは指定せずに、デフォルトの大きさで作成します。

取りあえず、最終形を意識してプリミティブを作る

 このオブジェクトの形を編集するためには、オブジェクトモードから編集モードに切り替えます。

編集モードへ切り替え

 ちなみに、モードには他にも、スカルプトモードやテクスチャペイントモード、頂点ペイントモードなどがあります。

 編集モードに切り替えると、頂点や辺などが表示されます。

 円柱の両端の面は12角形のポリゴンが張られています。ただ、使用するポリゴンは四角形か三角形のみにしたいので、両端の12角形のポリゴンは削除します。面を削除するためには、この面を構成する頂点を全て選択するか、または面選択ができるようにしてから、該当する面を選択して削除します。

削除する面を選択
面が削除された

 両端の面が削除されたので、厚みのない筒状になっています。

 次に、円筒の下側の頂点を全て選択します。

円筒下側の頂点を全部選択

 押し出し、拡大/縮小のコマンドを続けて使い、マウスを動かすとこのように、シルクハットのつばの形が作れます。

つばを作る

 単に絵として使うのであれば、帽子のてっぺんをふさげばよいでしょう。でも厚みがないので、3Dプリンタでの出力とかには使えません。

 新しくできた頂点は選択されている状態なので、そのまま再び押し出しコマンドを使って方向をZ方向に拘束してから、マウスを動かして、Z方向に新たな面を作成します。次に、シルクハットのつばになるように適当な量だけ押し出します。

つばに厚みを付ける

 帽子を下から眺めるようにして、押し出し、拡大/縮小し、円筒の直径よりも少し小さくなるくらいに、内側に縮小していくと、つばの下面にあたるポリゴンが作成されます。

底面から眺めながら編集を繰り返す

 ワイヤフレーム表示にいったん切り替えたうえで、側面のビューに切り替え、つばの下面の内側の頂点を、Z方向の上方向に押し出します。高さは外側の最上面の頂点より少し下くらいにします。

ワイヤフレームに切り替え、側面ビューにして編集する

 押し出してできた内側の側面の一番上の頂点群を、押し出しと拡大/縮小を使って内側に少々押し出します。上から見るとこんな感じになりますね。

こんな感じ

 次にこの穴をふさいでいきます。真ん中あたりの頂点を4つ選択します。

4つの頂点を選択

 その状態でFキーを押すと、これらの頂点で構成された面が作成されます。

面が張られた

 同じような作業を繰り返して、穴をふさぎます。

穴をふさぐ作業

 帽子の外側の天面を作成したいので、元の円筒の外側の最上部の頂点を全て選択して、先ほど内側の天面を作成した時と同じように、ポリゴンを作成していきます。

ポリゴンの作成

 同じように真ん中の穴をふさぎましょう。

穴をふさぐ

 さて、中にはなんでわざわざ1回内側に押し出し、縮小して放射状の面を張ってから、中を埋めるような面を張ったのか、疑問に思われる方もいるかもしれませんね。これらの面は張らずに、穴を埋めるように面を張ったって問題ないように思えるかもしれません。

 実は、このように面を張っておかないと、後でサブディビジョンをかけるときに、問題が起きてしまうのです。ここでは、とにかく「ポリゴンの流れを意識した結果、このように張ったんだ」とだけ覚えておいてください。

 そういうわけで、サブディビジョンをかけてみます。細分化のレベルが低いと、少々カクカクした形になってしまいます……。

カクカク

 細分化のレベルを上げれば、カクカク状態は目立たなくなります。でも、角がすっかりなまってしまい、最初の形状から、だいぶ変わっちゃいましたね。

カクカクは和らいだが……

 実は、これがサブディビジョンをかけた時に起こることで、形状がどうしても柔らかくなってしまい、角が取れてしまうのです。

 角を立てるためには、もともとのポリゴンの頂点近傍に頂点を作成します。そうすると、だいぶ角がはっきりすることが分かります。

頂点の作成

 天面側も一周するように、辺を作成(つまり合わせて頂点を作成)します。

さらに頂点を作成

 より角が立ってきたことが分かります。どのくらい角が立つかは、本来の角の頂点と新しく作った頂点の距離によります。近くすればするほど角がはっきりしますが、完全に重ならないようにしましょう(重複頂点になってしまうので)。

 残りの角についても、同様に編集していきます。

残りの角も……

 角に微妙な丸みがかかった形で、元のシルクハット型に戻りました。帽子は布製なので、多少なまった形状になっている方がよいですね。

 一応帽子の作成はこれで終わりにします。

データが出来上がったので、STLを出力する

 3Dプリンタで出力するときは、エクスポートコマンドを使ってSTLで出力します。なお、この時に「モディファイアー」を適用するオプションを忘れないようにしないと、カクカクした形状がエクスポートされてしまいます。モディファイアーとは、先ほどのサブディビジョンもそうですが、元のポリゴンを編集するためのコマンドで、他の例としては、ミラーや厚み付け、ベベル(勾配付け)などがあります。

 出力したSTLをデータ修正ツール「netfabb」で確認してみました。エラーのないメッシュであることが確認できました(関連記事:のSTL、ちゃんと3Dプリントできる? ――「netfabb」による簡単なSTL修正)。

「netfabb」で確認

 ちなみに、サブディビジョンの時に細分化のレベルを上げたので、かなり細かいメッシュになってしまいました。

メッシュはこんな感じ

 レベルを上げると、きれいにはなりますが、データも重たくなるので注意する必要がありますね。


 今回はごくごく基本的なモデリングの手順から紹介しました。

 正直、こういう形であれば「CADの方が簡単じゃないか!」と思う人は多いでしょうし、事実そうかもしれません。しかし、これがもっと不規則で有機的な形だったらどうでしょう? 局所的に細かな形を造形しなければいけないとしたら、どうでしょうか?

 次回以降、もう少しいろいろな形を考えてみたいと思います。

 ということで、今回はこれで失礼します。ではでは!

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Profile

水野 操(みずの みさお)

1967年生まれ。ニコラデザイン・アンド・テクノロジー代表取締役。マルチ・ディメンション合同会社社長。3D-GAN理事。外資系大手PLMベンダーやコンサルティングファームにて3次元CADやCAE、エンタープライズPDMの導入に携わった他、プロダクトマーケティングやビジネスデベロップメントに従事。2004年11月にニコラデザイン・アンド・テクノロジーを起業し、オリジナルブランドの製品を展開している他、マーケティングやIT導入のコンサルティングを行っている。著書に『絵ときでわかる3次元CADの本』(日刊工業新聞社刊)などがある。


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