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» 2015年10月22日 10時00分 公開

ダイハツ「キャスト」は「テリオスキッド」や「ミラジーノ」の後継とは限らないクルマから見るデザインの真価(7)(3/5 ページ)

[林田浩一/林田浩一事務所,MONOist]

軽自動車ならでは上質感を訴求できそうな「スタイル」

 今回実際に試乗したのはスタイルとアクティバの2モデル(スポーツは2015年10月末の発売予定のため、参考展示のみであった)。どちらも、2トーンのボディカラーを纏うが、ルーフの白い部分は塗装による塗り分けではなく、樹脂フィルムによるラッピング工法が採用されているので、塗装の場合に対してコスト優位性のみならず、色とテクスチャーの両方からバリエーション展開が容易であることも、この工法の特徴である。

 最初に試乗したのはスタイル。バンパーモールやフロントグリルにメッキ加飾があしらわれた外観は落ち着いたクルマの印象だ。運転席に座ってみるとちょっと高い位置に座る視点は、普通車のコンパクトカーなどとは少し印象が異なるが、頭の上の空間の残り具合が違うので、ムーヴやワゴンRといったハイトワゴンの大きな空間にいるような印象はない。

「キャスト」の「スタイル」の外観
「キャスト」の「スタイル」の外観 「キャスト」の「スタイル」の外観(クリックで拡大)

 インテリアデザインの方向性も、落ち着きや上質感を、といった感じか。この感じを構成しているのは、明るめの色のファブリックシート、ふた付きにしている助手席側のインパネトレイ、インパネに装着される質感に拘ったという水圧転写での加飾プレートといったもの。加飾プレートはドアトリムの色とセットでいくつかの組み合わせが用意されている。その選択肢は、比較的落ち着いた印象のものが多い。1色だけ、ホワイトのレザー調シートにホワイトの加飾プレートとドアトリムというプライムインテリアと呼ぶオプションも設定しているので、単に上質さだけでなく華やかさもという意図も見える。手法としてはいわゆる高級車の様式と似ている。

「スタイル」の内装 「スタイル」の内装。助手席側のインパネトレイはふた付き(クリックで拡大)
「スタイル」のインパネの加飾プレート 「スタイル」のインパネの加飾プレートは水圧転写による加工で色と柄を表現している(クリックで拡大) 出典:ダイハツ工業

 しかし、というか幸か不幸か、試乗で当たったクルマは、ベーシックなシルバーのパネルを装着したいわゆる“素”の個体だった。明るいシートカバーとも合っており、クルマっぽいというより上品なデザインの家電製品のような雰囲気もあり、「小さな高級車」みたいな路線の、ちょっと重厚さのあるオプションセットよりはこちらの方向性の方が、普通車の高級車とは異なる軽自動車ならでは上質感訴求もできそうな印象を受けた。黒地の文字盤の中で細身の長い針が動くメーターなどもその印象の一因に感じる。

「スタイル」のメーター 「スタイル」のメーター(クリックで拡大) 出典:ダイハツ工業

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