日本版インダストリー4.0の鍵となる“緩やかな標準”、実現に向け19のWGが始動スマートファクトリー(3/4 ページ)

» 2015年11月25日 07時00分 公開

「MESによる自動化ラインと搬送系、人間系作業の統合」(神戸製鋼所・コマツ)

 自動化された製造設備群では計画情報、実績情報ともに大量の情報をリアルタイムに管理できるようになってきた。しかし、仕上げ加工、溶接、検査などの属人的な作業工程やそれらの工程間をつなぐ搬送系については企業によって管理の程度はさまざまで、全体としての統合管理ができていない場合が多い。同WGでは機械加工工程を中心とした一連の製造工程を取り上げ、CNCなどの自動機械とその周辺の手動機械や搬送工程を、IoTを活用して統合管理する仕組みの検討を進める。

「想定外の状況に対応可能なMES」(デンソー)

 想定外の事象が発生した場合、変更情報の共有・影響の特定・生産指示を即座に行える仕組みを作るため、量産直前で仕様変更が発生した場面を想定して業務シナリオを作成する。仕様変更に対する納期回答を行う際に発生する関係部門との調整を、仮想大部屋で効率化し、そこで確定した変更後の設計・生産技術・品質データがMESのインプット情報となる仕組みを構築することで、想定外の状況に対応できるMESの実現を目指す。

「遠隔地の工場の操業監視と管理」(ダイフク・NEC)

 海外や地方工場の設備稼働状況は見えない場合が多く、生産の出来高や作業日報などを集計する場合は時間がかかる。さらにその作業を特に人手に頼っている場合はデータの信頼性も低い。こうした現状に対して、各地に分散した工場を遠隔で管理し、全体最適の実現するための施策を検討する。異常が発生している遠隔地との情報共有や現状把握を含め、短期間で行える設備の予知保全の可能性も探る。

「現物データによる生産ラインの動的管理」(パナソニック・横河マニュファクチャリング)

 現状では最適と思われる生産プロセスが生産技術者や製造の暗黙知により決められていることも多い。また、人や設備がボトルネックとなり、生産のパフォーマンス低下がみられるケースもある。こうした現状の解決を目指して、理想とする生産ラインの状態を動的管理で維持するため、人間の活動を含めた計画・実行業務のシナリオを具体化する。

「実績データによる製造知識の獲得」(日立製作所)

 海外工場に伝える情報量は、細かなノウハウなどを含めて膨大な情報量になる。しかし簡単な作業指示であっても、そこには暗黙知を含む“すき間”が存在し、現地では誤解や判断のブレからくる問題が日常的に発生する場合が多い。こうした暗黙知をIoTの活用により形式知化し、利用可能な知識として継承していくことを検討する。

「設計&製造BOM連携とトレーサビリティ管理」(豊田中央研究所・三菱総合研究所)

 市場の多様性やライフサイクルの短縮、コスト競争、アジャイル生産といった環境変化への対応には、効率的なエンジニアリングやサプライチェーン連係が重要となっている。そのためにはベースとなる設計・製造データ(BOM)の連携がカギとなるが、現実には取引先ごとにデータフォーマットがバラバラであり、トレーサビリティ情報の格納場所やノウハウの隠匿があるといった課題がある。これを解決するために設計BOMと製造BOMの間にBOPを定義し、設計から生産までを丁寧につなぐことで、スムーズな業務(データ)連携の実現を目指す。

「生産技術&生産管理のシームレス連係」(川崎重工業)

 急な増産に応じて、対応可能なサプライヤを迅速に探したり、海外進出に対して新規にサプライヤを発掘したりする方法など、いつでもどこでも、素早くモノづくりができるロケーションフリーの環境の構築を目指す。これらを実現するために企業間でどのような情報を、どのようにやり取りすれば連携をスムーズに進めることができるかを検討する。

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