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» 2016年01月21日 11時00分 公開

オートモーティブワールド2016 特別講演レポート:「自動運転のための自動運転は無意味」、国内5社の車両開発責任者が激論 (2/5)

[日沼諭史,MONOist]

自動運転を納豆を食べることに例えると……

日産自動車の東倉伸介氏。2014年11月より車両開発主管として「エクストレイル」開発まとめを担当 日産自動車の東倉伸介氏2014年11月より車両開発主管として「エクストレイル」開発まとめを担当

 日産自動車 Nissan第二製品開発本部 Nissan第二製品開発部 車両開発主管の東倉伸介氏も「自動運転(の時代)は将来やってくるだろう。ただ、自動運転技術のためのデバイス開発など、毎年“How”ばかりに突っ走るのは(メーカーとしては)良くない」とくぎを刺す。

 同氏は納豆をつかむ箸の写真を示しつつ「手で食べてもいいが、ぬるぬるして嫌だと思えば箸を使う。ボタンを押したら誰かの手で自分の口に運んでほしいという人もいるかもしれない。ただ、口の位置と口が開いているのを判断して、適切な速度で運んで、口に入れたら箸を抜くという動作も必要になる」と述べた。

 箸、すなわちクルマを自分の手で動かすか、全自動にしたいかに関わらず「われわれとしては、お客さまがどうやりたいか、お客さまにとって何が喜びかっていうのを忘れてはいけない」という点を強調する。「それを忘れてモノの開発だけに走ってもらっては困る」(同氏)。

日産自動車はルノーと共に2020年までに自動運転技術を10モデル以上に採用していく 日産自動車はルノーと共に2020年までに自動運転技術を10モデル以上に採用していく (クリックして拡大) 出典:日産自動車

 ホンダの軽スポーツオープンカー「S660」の車両開発責任者を務めた27歳の気鋭、本田技術研究所 四輪R&Dセンター LPL室 S660 LPLの椋本陵氏も「交通事故のない社会、個人が自由に移動する喜び、この両立のための技術として自動運転があるのかなと思っている」と話し、自動運転がS660のようなスポーツカーを否定するものではないと考えている。

 三菱自動車で「ランサーエボリューションVIII/IX/X」の評価を担当した商品戦略本部 商品企画部 エキスパートの布野洋氏は、「自動運転車は疲労が少ない。遠くに行った時に出先で楽しむ範囲が広がったりもする。スポーツカーで運転を楽しみたいのは当然だが、気分もあるし、年がら年中楽しむばかりではない。その(気持ちに合わせた)切り替えをきちんとしながら使っていくことに意味があるのでは」とコメントした。

S660ランエボ ホンダ「S660」(左)と三菱自動車「ランサーエボリューションX」(右)。自動運転はスポーツカーの楽しさを否定するものではない (クリックして拡大) 出典:ホンダ、三菱自動車

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