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» 2016年01月29日 10時00分 公開

生産管理の世界共通言語「APICS」とは(4):SCMプロを証明する“免許証”「CPIM」とは (2/5)

[安達紘子/コヴィディエン ジャパン,MONOist]

CPIMの資格内容

 CPIM(Certified in Production and Inventory Management)の試験内容は5科目(モジュール)で成り立っている。

 特徴的なのは、モジュール同士の関係性だ。図1の通り、生産・在庫管理の基本概念および実務基礎を押さえた「Basics of Supply Chain Management」が、全てのモジュールの中心にあり、それを取り囲むように「Master Planning of Resources」や「Detailed Scheduling and Planning」「Execution and Control of Operations」といった、より実務詳細を網羅した3つのモジュールがある。さらに、これら全てを包括する「Strategic Management of Resources」は、概念・基礎、実務詳細に加えて、外部要因も考慮したうえで、実際のビジネスにおいて最適なSCMを実現するために、いかに戦略的に資源を投下するかといったマネジメントを学ぶモジュールである。

photo CPIMを構成する5つのモジュール 出典:APICS

 つまり、各モジュール同士が密接に結びついており、全てを学ぶことで、生産・在庫管理のプロフェッショナルとして必要な知識・能力を、さまざまな粒度(概念・基礎、実務)と視点(現場、管理/SCM、ビジネス)から身に付けることができる仕組みとなっている。

 各モジュールの内容詳細は、以下の通りである。

  • サプライチェーンマネジメント基礎(Basics of Supply Chain Management、BSCM):サプライチェーンにおいて、サプライヤーから顧客まで、モノがどのように流れているかの基礎的な概念を理解するモジュールである。後続のモジュールでより深く学ぶ内容についての、基礎知識を習得する場でもある
    • サプライチェーンをとりまく環境について
    • 需要管理
    • 製品、プロセスそして情報システムの設計
  • マスタープランニング(Master Planning of Resources、MPR):中長期の需要に対応するための、需給計画について理解を深めるモジュール。需要管理、S&OP、基準計画立案(マスタースケジューリング)と、物流計画の原則を学ぶ
    • 需要予測(Forecasting)
    • S&OP(Sales and Operationss Planning)
    • 物流ネットワークと補充計画の策定
  • 詳細スケジュールと計画(Detailed Scheduling and Planning、DSP):MRP(資材所要量計画)やCRP(能力所要量計画)、リーンやTOC(制約理論)などの手法を使用した、在庫計画のための実務的な技術や知識を把握するモジュール。それぞれの手法を利用して、在庫、資材、許容量やサプライヤーのパフォーマンスの標準的な測定方法を学ぶ
    • スケジュール、計画、調達におけるサプライチェーン・マネジメントおよび、サプライチェーン戦略の重要性の確認
    • マスタープランニングにおける製品単位での計画やスケジュールの、調達或いは生産のための所要量へ変換
    • マスタープランニングと、実行や管理段階との橋渡し
  • 実行とオペレーション管理(Execution and Control of Operations、ECO):計画の作業段階への落とし込み
    • 計画と実際のアウトプットを比較し、適切な是正活動を行う
    • 品質イニシアチブの理解と、継続的な改善活動の実施
    • 設計段階におけるトレードオフ比較
  • 戦略的な資源管理(Strategic Management of Resources、SMR):より高次な視点から、戦略的な計画や作業の実施の検討を学ぶモジュール。市場の要求がいかに組織の資源やプロセスに影響を与えるかを把握する
    • CPIM全体を通じて、各要素の組み合わせや俯瞰的な視点から考える手法の理解
    • 事業をとりまく様々な環境の理解
    • 事業戦略がどのように立案され、作業戦略がどのように導入されるかを知ること

 このように、サプライチェーン概要を把握したうえで「生産・在庫管理」の資格名の通り、生産管理と在庫管理においては、実務レベルでの詳細理解までを求められる。1科目につき3時間・75問(1科目のみ105問)の試験を突破し、5科目全てに合格して初めて、CPIMの認定を受けられる。なお、試験問題は全て英語である。

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