ヘッドランプ進化の歴史、シールド式からハロゲン、HID、LED、そしてレーザーへいまさら聞けない 電装部品入門(23)(4/5 ページ)

» 2016年02月08日 11時00分 公開

急激に採用が拡大するLEDヘッドランプ

 ディスチャージランプの次に登場したのがLEDヘッドランプですね。

 既に日常生活でもLED照明が急激に増えてきていますが、自動車でも高級車を皮切りに今では軽自動車にも普及が始まっています。

LEDヘッドランプの例 LEDヘッドランプの例 出典:アウディ

 LEDは言うまでもなく省電力化に寄与しますので、電力消費を抑えたいハイブリッド車や電気自動車などで非常に有効です。

 またLEDは、ディスチャージランプの課題であった安定した点灯状態になるまで時間がかかるといったことがなく、瞬時に点灯します(温度が上がらないのはディスチャージランプと同じなので、凍結には弱いです)。

 当初はLED1つ当たりの光量が弱かったため、1つのヘッドランプとして機能させるために複数個のLEDを並べて性能確保していましたが、最新のLEDヘッドランプでは片側1つで必要十分な性能が確保されています。ディスチャージランプ以上の明るさを持ちながら、消費電力は半分以下というレベルに達しています。

 LED光を従来のヘッドランプテスターが正常に認識しないといった問題もありますが、既存設備が追い付く前に最新技術がどんどん進化していくという昨今ありがちな状況です。これらが整うまでもうしばらく時間がかかりそうです。

次世代技術のレーザーヘッドランプも登場

 LEDの普及が始まったかと思えば、既に次の新技術が登場しています。

 それはレーザーヘッドランプです。

レーザーヘッドランプの例 レーザーヘッドランプの例。BMWのプラグインハイブリッド車「i8」に採用されている 出典:BMW

 従来に比べて倍以上の視認距離と明るさを備え、さらに非常に小さい構造であることから、デザインの自由度にも大きく貢献します。

 まだまだ高級車限定のシステムですが、今後の普及に期待ですね。

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