まずは、とにかくたくさんアイデアを出すべし!TRIZ&TMでコマ大戦で勝てる!? コマを設計しよう(1)(3/4 ページ)

» 2016年02月09日 10時00分 公開

発明原理によるアイデア出し

 抽出した課題をTRIZの代表的なツールである発明原理を使ってアイデアを出します。ここでは、前出の「矛盾問題:重心位置」と「回転体の質量」、「モーメントの関係」について考えてみます。

 今回は、以下の手順に沿って検討します。

1.矛盾を定義する(技術的矛盾:改善する特性と悪化する特性)

図5

2.矛盾を図式化する(矛盾問題に慣れてきたら不要)

図6

3.矛盾する特性を39の特性パラメータに当てはめる

図7

4.矛盾マトリクスから適応する発明原理を抽出する

図8

5.抽出した発明原理の上から順番にアイデアを発想していきます。

 「発明原理番号15:ダイナミック性原理」とは、以下になります。

  • 状況に対応して変化できるようにする
  • 相対的に運動できるように分割する
  • 不動,不変のものを可動・可変にする

 これらをコマのいろいろな部分にダイナミック性原理を適用すると……、そうです、われわれの「ネコパンチ2号」のように、回転体が変形するコマを思い付きませんか? その他、つまみが変形したり、先端形状が変形したりするコマが考えられますね

図9:ネコパンチ2号

 通常であればこのように矛盾する特性を39の特性パラメータに変換し、矛盾マトリクスによりその矛盾解決に最適な発明原理を最大4個導き出して、効率的にアイデア出しを行うのですが、これだけたくさんの課題で矛盾問題を定義するのはTRIZ初心者の方には大変なので、取りあえず発明原理を覚えていただく意味も込めて、片端から発明原理でアイデア出しを行ってみてください。

 出てきたアイデアは必ず付箋紙などに図とともに書き出し、記録として保存してください。

図10:アイデアを付箋紙に書き留める

 それと、40の発明原理を使用頻度が高い順に並べてみました(図11)。これでアイデアの検討がかなり効率化されると思います。ぜひ利用してみてください。

図11a・b
図11c・d

 機能−属性分析と原因−結果分析から抽出された課題は25個あります。これらに対し、平均で10個のアイデアを考えれば、全部で200個以上のアイデアになります! 簡単ですよね!

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