イノベーターになるための力を伸ばす秘訣〜コミュニケーション力編〜“これからのエンジニア”の働き方(4)(2/2 ページ)

» 2016年02月16日 10時00分 公開
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(3) 日々、素直であれ

 一般的にコミュニケーション力が高いとされる人たちからも見てとれるのは、皆、「傾聴力」がとても高いということです。自身の意志や意見はしっかりと持ちつつも、相手の言うことを聞き取ろうという姿勢を素直に表現しています。

 それはコミュニケーションにおける心的な壁を取り払ってくれるため、気持ちのいいキャッチボールが可能です。この人ともっと話をしたい、そう思わせるのです。

 何事も素直に受け取れず、例えば「言っていることは分かるけど、こちらの主張を通したい」などという気持ちがあると、的外れの批判や質問が続き、キャッチボールになりません。会話に疲れ、「この人と話すのいやだな……」と思われてしまっては、そこに何も生まれません。

 主張が終わり、最終的には受け入れるとしても、とにかく時間がかかってしまい効率的ではありません。イノベーションには、クイックなアクションも必要です。

イノベーターたるもの、人気者であれ

コミュニケーションをとりたい、と思わせる人になる コミュニケーションをとりたい、と思わせる人になる

 第2回でも書きましたが、組織でイノベーションを起こすためには、「人気のある人」になることが必要です。ロジカル一辺倒ではいけません。たまにはくだけて仲間に屈託のない笑いをもたらすような、人間味のあるコミュニケーションが取れる人がイノベーションを起こすことができます。

 人と集め、人を巻き込み、人と人とをつなぎ、「仲間」となってくれる人をどんどん増やして、組織や事業に変革をもたらすのです。

 前回お話しした「論理的思考力」、そして今回の「コミュニケーション力」。どちらもイノベーターに必要な能力であり、どちらが欠けてもいけません。不得意な方があれば、ぜひこれらのポイントを意識して実行してみてください。

 では、歴史に名を残したイノベーターたちは、実際にどのようにこれらのスキルを使ってイノベーションを起こしてきたのでしょうか。次回はその実例を振り返りながら、組織での実践的な動き方を考えてみましょう。

筆者プロフィル

株式会社VSN VIエキスパート 桑山 和彦(くわやま かずひこ)

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通信機器、情報機器メーカーより株式会社VSNに転職。VSNに入社後はエレクトロニクスエンジニアとして半導体のデジタル回路設計やカメラ用SDK開発業務に携わる。

2013年より“派遣エンジニアがお客さまの問題を発見し、解決する”サービス、「バリューチェーン・イノベーター(以下、VI)」を推進するメンバー「バリューチェーン・イノベーター・プロフェッショナル」に抜擢。ビジネス・ブレークスルー大学・大学院の教授である斎藤顕一氏より問題解決手法の教示を受け、いくつもの問題解決事案に携わる。

現在はVIエキスパートとして、よりハイレベルなサービスの提供に向けての提案活動を牽引する他、社員の育成プログラムの構築〜実施を行う。

株式会社VSN http://www.vsn.co.jp/

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