「プリウス」対抗の現代自「アイオニック」、ハイブリッドシステムにDCT採用ジュネーブモーターショー2016

Hyundai Motor(現代自動車)は、「ジュネーブモーターショー2016」において、新型車「IONIQ(アイオニック)」のハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車をそろえて披露すると発表した。

» 2016年03月01日 12時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 Hyundai Motor(現代自動車)は2016年2月24日、「ジュネーブモーターショー2016」(一般公開日:2016年3月3〜13日)において、新型車「IONIQ(アイオニック)」のハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車をそろえて披露すると発表した。

現代自動車の新型車「アイオニック」 現代自動車の新型車「アイオニック」。左から、ハイブリッド車、電気自動車、プラグインハイブリッド車(クリックで拡大) 出典:現代自動車

 アイオニックは、同社が「世界で初めて、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車を1車種でそろえた」と主張する新型車だ。トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」に対抗する車両になると報道されている。

「アイオニック」の外観新型「プリウス」の外観 「アイオニック」(左)と新型「プリウス」(右)のフロントクォータービューによる外観比較(クリックで拡大) 出典:現代自動車
「アイオニック」の外観新型「プリウス」の外観 「アイオニック」(左)と新型「プリウス」(右)のリアクォータービューによる外観比較(クリックで拡大) 出典:現代自動車

 アイオニックのハイブリッド車とプラグインハイブリッド車には、新たに開発した排気量1.6l(リットル)の直列4気筒直噴ガソリンエンジンを搭載。同エンジンの熱効率は40%としており、新型「プリウス」と同等だ。最大出力は77kW(105ps)、最大トルクは147Nmで、新型プリウスのエンジンの最大出力72kW/最大トルク142Nmを上回っている。

 ハイブリッド/プラグインハイブリッドシステムにおいてエンジンとモーターをつなぐトランスミッションには、新開発の6速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)採用した。DCTを採用するハイブリッドシステムと言えば、ホンダの1モータータイプの「i-DCD」が挙げられる。

 アイオニックのハイブリッド車とプラグインハイブリッド車も、i-DCDと同様に搭載モーター数は1個とみられる。ハイブリッド車のモーターは最高出力32kW/最大トルク170Nmで、後席下部に設置したリチウムポリマー電池パックの容量は1.56kWh。エンジンを含めたハイブリッドシステムでは最高出力103.6kW/最大トルク265Nmに達する。最高速度は時速185kmで、目標とするCO2排出量は79g/kmとなっている。

 プラグインハイブリッド車は、モーターの最高出力が45kWとだけ表記されている。リチウムポリマー電池パックの容量は8.9kWhで、電池とモーターだけの走行(EV走行)距離は50kmになるという。目標とするCO2排出量は32g/kmだ。なお、新型プリウスの走行用モーターは最高出力53kW/最大トルク163Nmであり、アイオニックのプラグインハイブリッド車のモーターよりも最高出力は高い。

 アイオニックの電気自動車は、モーターの最高出力が88kW、最大トルクが295Nmで、容量28kWhのリチウムポリマー電池パックによる走行距離は250kmを想定している。

 これらの他アイオニックでは、Apple(アップル)の「CarPlay」やGoogleの「Android Auto」といったスマートフォン連携機能に対応した7インチディスプレイの車載情報機器を搭載している。加えて。自動ブレーキ、車線維持、アダプティブクルーズコントロールなどの機能をそろえた運転支援システムも採用している。

 そして、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車で共通する車体の空気抵抗係数(Cd値)は0.24。これは、新型プリウスと全く同じ値である。

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