困ったら読みたいマブチモーター制御のTipsArduinoで学ぶ基礎からのモーター制御(4)(2/4 ページ)

» 2016年03月04日 07時00分 公開
[今岡通博MONOist]

ダイオードを用いた逆起電力対策回路

 解説の前に、まずは今回の回路で電流増幅用に使っているトランジスタ、「2SC2120-Y」の最大定格を見てみましょう。

「2SC2120-Y」の最大定格(データシートより抜粋) 図3 「2SC2120-Y」の最大定格(データシートより抜粋)

 最大定格とは「この値を超えるとデバイスが壊れる恐れがある」という値です。ですからこの値を絶対に超えない回路を設計しなければなりません。モーターはプラス電源とトランジスタのコレクター(C)間に接続されます。コレクターとエミッター間の最大定格電圧は30Vとなっています。

 そこで逆起電圧対策として、トランジスタのコレクターとエミッター間にダイオードを入れます。ダイオードの向きは図2のようにトランジスタのエミッター側にダイオードのアノード、またトランジスタのコレクター側にダイオードのカソードを接続します。これによりモーターから発生した逆起電圧を逃がすことができます。

 図4のようにモーターの直下にダイオードを入れるという方法もあります(図2はコレクターにかかる逆電圧を抑圧しますが、図4はコレクターにかかる順電圧への対策となります)。この方法だと発生源から逆起電圧を断つという効果を得られますが、後に説明するモーターを逆回転させる動作ができなくなります。もしモーターを一方向のみ回転させる用途であればこの方法も有効です。

photo 図4 モーターの両極にダイオードを入れた逆起電力対策。ただし、この場合はモーターの電極を入れ替えて逆回転させることができません

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