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» 2016年03月11日 07時00分 公開

ロボットキーマンを訪ねて:スケルトニクス 白久レイエス樹氏に聞く、パワードスーツの現在と未来 (4/6)

[大内孝子,MONOist]

エグゾネクスが目指したもの

 一方、スケルトニクス社設立の大きな理由だった「エグゾネクス」。アクチュエータを用いた力強いパワードスーツを目指したエグゾネクスのプロジェクトは、スケルトニクス1号機を作った翌2012年1月に始まっている。

白久氏 最初にスケルトニクスを作ったのが5年前。エグゾネクスを作ろうと言い出したのが4年前になります。これまで活動してきた中で、僕らの中では中心となってきたロボットです。

 実は技術者としては、1号機で技術的興味というのはほとんど満たされてしまっているのです。2号機以降は仕事に近い形で作っているので、感覚は違います。会社にしたタイミングでは、既に技術的興味はエグゾネクスにかなり偏っていました。

1号機以降、技術的な興味はエグゾネクスに偏っていたという白久氏

 ただ、エグゾネクスの開発には大きな問題が2つあった。1つは前述した資金面の問題で、数千万円の資金が必要となる。これは、ライブパフォーマンス分野の売り上げ、スケルトニクスシリーズで資金を集めることで達成している。2つ目は技術的にどうアプローチしていくかだ。

白久氏 エグゾネクスは大きさが3.01mくらいですが、重さは560kg。スケルトニクスは大きさこそほぼ同じですが、重さは40kgほどです。最近注目されている、各社が作っているパワードスーツ(装着型ロボット)は5〜6kgくらいの製品が多いと思いますが、エグゾネクスはその100倍くらい重い、大型のパワードスーツになります。それを技術的にどう作っていくのかというところが2つ目の課題でした。大きな人型ロボットなので、そもそも2足歩行が難しいのです。人が中に入るにせよ、そこをどうクリアしていくか……。

 3年間ほどの基礎研究開発を経て、開発が本格化した2015年初頭にエグゾネクスプロジェクトの開発期限を2015年内と定め、いままで集めた資金を投入し、自分たちが掲げた仕様を満たすまで、それに向けて何度も作り直しをしていった。上半身を2回、下半身を3回以上作り直した。しかし、最終的に目指す仕様までたどりつけなかった。その目指した仕様やいきさつは、スケルトニクスのサイトに公開されている。

 残念ながらエグゾネクスの試作機は公開されていない。3年間の基礎研究の後、イケるとして踏んで全身の製作に進んでいる。目標とする仕様が達成できなかったとはいえ、そこには最新の技術が盛り込まれており、この後のことを考えると、中途半端なところで試作を公開するわけにはいかないということなのだ。

 技術的に達成できたことなど、詳細が非常に気になるところだが、「お伝えできるのは、スケルトニクスにはできない、かなり力強い動きができるということ」だという。

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