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» 2016年03月11日 10時50分 公開

「ミニ四駆」ボディーを3Dプリンタで作ろう(2):3Dプリンタによる造形と物理的な仕上げ (3/4)

[志田穣,MONOist]

いよいよフルサイズで出力!

 今回、等倍(フルサイズ)のミニ四駆ボディーの3Dプリントをするに当たり、DMM.make 3Dプリントを運営するDMM.comさんに全面協力いただきました。なお、DMM.make 3Dプリントの詳しいサービス内容などは次回紹介します。

 使用する素材は「ポリカーボネート」です。DMM.make 3Dプリントの素材一覧のページに特徴などが詳しく記載されています。DMM.make 3Dプリントでは、個人では購入が難しいハイエンドな3Dプリンタによる造形サービスを受けることができます。今回選択したポリカーボネートの場合も、方式こそ先ほどのFabCafeで使用した機種と同じFDM方式ですが、高精細で最終製品やパーツの出力などにも使われるハイエンド3Dプリンタで出力してくれます。

 また、DMM.make 3Dプリントで、ポリカーボネート素材の出力を行っている3Dプリンタは、サポート材を造形用の樹脂材料と異なる材料で出力できます。図9は造形中の様子を撮影したものですが、ボディー部分は白色のポリカーボネート樹脂が使用され、サポート部分は茶色い別の素材で造形されていることが分かります。

造形中の様子 図9 造形中の様子(クリックで拡大表示)

 なぜ異なる材質を利用するのでしょうか? それは3Dプリント後に、溶解液などを用いることでサポート材のみを溶解・除去して、目的の形状のみをきれいに取り出すためです。今回使用した3Dプリンタには、フィラメントを射出するノズルが2つ搭載されています。これであれば、ニッパーやヘラなどの工具を使って、物理的にサポート材を除去する必要はありませんし、サポート材除去後のバリ取りや仕上げの手間が不要になります。

 また、工具を利用してサポート材を除去する場合、工具や指先などが入るだけのスペースが必要になりますが、溶解液によるサポート材の除去であれば少なくとも液体が入り込める形状であればよいわけです。

 ただし、この方式による造形・サポート材の除去には、気を付けなければならない/ノウハウが必要な点があります()。

こちらに記載する内容は、3Dプリンタそのものの技術的特徴を踏まえた上での筆者見解であり、今回ご協力いただいたDMM.make 3Dプリントのサービス品質とは無関係です。

1.ノズル切り替えによる造形不良
 3Dプリンタの技術的な特徴を説明するために、あえてデータ修正などはしてもらいません(しません)でしたが、今回用いた3Dプリンタは、モデル形状とサポート形状を、ノズルを切り替えながら造形していくため、薄肉など微小な形状でノズルの切り替えがうまくいかず、図10に示すように破断してしまうことがあり得ます。

造形不良 図10 造形不良(クリックで拡大表示)

2.サポート材の除去
 理論上、溶解液に浸すことでサポート材はきれいに除去されるはずですが、実際には難しさもあるようで、除去するためには長時間漬け込まなければならない、また漬け過ぎると肝心の造形物の方がふやけて意図通りの形状にならない、といったことがあるようです。

 当然、こうした懸念点については、DMM.make 3Dプリントをはじめとする3Dプリントサービス事業者の方でノウハウを蓄積しているようなので、多くの場合安心して利用できるでしょう。

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