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» 2016年04月05日 11時00分 公開

売上高10兆円の目標を撤回したパナソニック、利益体質構築に向け足場固めへ製造マネジメントニュース(2/3 ページ)

[長町基,MONOist]

注力事業領域は5つから4つへ、デバイス事業を減らす

 パナソニックは自社の目指す姿を、「お客さまへのお役立ちを創出し続ける会社」とする。それを達成するために、津賀氏は「お役立ちの報酬ともいえる利益を伴った成長で、その継続的な利益創出を実現することが必要」としており、「中期的に目指す経営指標は、利益成長の創出が第1の目標で、売上高はその手段の1つである」と言い切る。

パナソニックが新たな中期経営計画で目指す姿 パナソニックが新たな中期経営計画で目指す姿(クリックで拡大) 出典:パナソニック

 この目標を実現するためパナソニックは新たな事業領域別取り組みを始める。これまで同社は5つの事業領域と3つの地域を掛け合わせたマトリックス戦略を推進してきた。その結果、これら5つの事業領域で目指すべき方向性が明確になってきているという。

 まず、家電、住宅、車載の3事業は、最終顧客に広く価値提供を通じて新たな成長を創ることを目指す。「この3事業は、どの市場で闘い、どのような手を打っていくのかが明確になり、成長の軌道に乗りつつあると感じている」(津賀氏)。

 B2Bソリューション事業では顧客の競争力強化に貢献し、高収益を実現することを目標とする。「しかし、この事業は勝つためのビジネスモデルがまだ十分に構築できていない。今後、向き合う業界、強みとなる商材、地域を明確にし、確実に高収益が取れるビジネスモデルを目指していく」(同氏)とする。

 デバイス事業については、強いデバイスで稼ぎ続けることを目指してきた。しかし「この事業では、コモディティ化が特に進むICTの端末分野から、車載、産業分野への転換で活路を見いだそうとしているが、まだ時間がかかりそうだ。当面は単品の強みを磨き専業メーカーに打ち勝つ必要がある」(同氏)という課題が残る。

 こうしたことを踏まえて、今後の事業の戦略の枠組みの中で、デバイス事業を向き合う産業に見合う事業領域に包含させる形とし、これまでの5つの事業領域を4つに組み替え、この枠組みで今後の戦略を描くことを決めた。それに伴い、同社が中期的に目指す経営指標(2020年以降)も事業の方向性に応じて分けて取り組むこととしている。

各事業領域が目指す方向性 各事業領域が目指す方向性。デバイス事業は4つの事業領域に組み込まれ、重点事業領域からは外れる(クリックで拡大) 出典:パナソニック

 家電、住宅、車載の3事業では、新たな売り上げ成長を創りながら、営業利益率5%以上、営業利益は合計で3000億円以上を目指す。B2Bソリューション事業は、パナソニックならではの価値を提供することで営業利益率10%、営業利益3000億円を目標とする。「成長戦略が軌道に乗りつつある、家電、住宅、車載で確実に利益を積み重ね、そこに高い収益性が望めるB2Bソリューションを付加して、全社として利益成長できる構造を構築していく」と津賀氏は新戦略の狙いを話す。

各事業領域の経営指標 各事業領域の経営指標(クリックで拡大) 出典:パナソニック

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