人材不足を感じている企業は75.7%――調査開始以来最多キャリアニュース

総合転職情報サイト「マイナビ転職」が「2015年中途採用状況調査」についての結果を発表した。75.7%の企業が、人材が「不足している」と回答。また、前年より選考基準を甘くした企業が増えていることが分かった。

» 2016年04月11日 15時30分 公開
[MONOist]

 マイナビが運営する総合転職情報サイト「マイナビ転職」は2016年3月23日、「2015年中途採用状況調査」の結果を発表した。

 調査の対象は、2015年に中途採用の活動実績がある全国の企業。回答を寄せたのは652社で、従業員数300人未満の企業が約8割を占めている。

 まず「人材の過不足感」を尋ねたところ、2015年は「不足している」と回答した企業が75.7%で、前年に比べ2.2ポイント増加した。これは2012年に調査を開始して以来、最多の結果となる。経年変化を見ると、2012年に69.4%だった「不足している」は年々増加し、現在では4社のうち3社が人材不足と感じていることが明らかになった。

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 次に「中途採用を実施した理由」を調査した。その結果、トップは「経営状態の好転・既存事業の拡大」で43.1%。続いて「組織の存続と強化(活性化)」(42.0%)、「年齢など人員構成の適正化」(31.4%)となった。経年変化では、2012年以降「退職者の増加」が年々減少している。一方で、「年齢など人員構成の適正化」や「労働時間短縮への対応」が年々増加。中途採用の理由が、退職者の穴埋めから労働環境の改善や整備構築へシフトしてきていると言える。

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採用の選考基準は「前年より甘くした」が年々増加

 「経験者採用の選考基準」は「前年並み」が68.4%で最多。経年変化を見ると「前年より厳しくした」は年々減少傾向に。一方で、「前年より甘くした」が、2012年には13.6%だったが2015年は23.3%と大きく増加している。売り手市場が続き、選考基準を甘くしてでも人材を確保する必要に迫られていることが分かる。

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 最後に、「女性の採用・活躍促進に向けて実施している施策」について尋ねたところ、中小企業を中心に「特に何も実施していない」が最も多く、約4割を占める結果となった。これは、調査対象企業のうち約8割が従業員数300人未満であることが影響しているようだ。実施している施策の中で多かったのは、「時短・時差勤務」の27.5%。次いで「女性採用比率の拡大」(18.9%)、「女性管理職比率の拡大」(14.9%)だった。

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