特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2016年04月20日 12時00分 公開

製造業IoT:人工知能は製造現場でどう役に立つのか (2/4)

[三島一孝,MONOist]

機械学習により産業用ロボットを教育する

 「機械学習による産業用ロボットのティーチング」は2015年12月に開催された国際ロボット展で出展され、業界関係者を驚かせた技術である。

 同展で展示したシステムは、ファナックの小型アームロボット「LR Mate 200iD」を使い、金属製の円柱型のワークを吸着してピッキングするデモンストレーションである。ワークの検出にはファナックのバラ積みセンサー(3次元計測機)を利用。デモでは、バラ積みセンサーで取得したワークの3次元画像のデータから、機械学習機がどのワークが取り出しやすいかを自動的に順序付けし、これに従ってロボットがピッキングを進める様子を披露したが、同デモの特徴はティーチングを人間が全く行っていないという点である。

photo 金属製の円柱のワークをピッキングするデモ。機械学習により、ティーチングなしてピッキング精度を向上した

 同デモでは、産業用ロボットが適当に部品を取り上げようとしてその成否を記憶しながら重ねていくことでピッキング成功率を高めていくということを実現した。より詳細に説明すると、まずバラ積みセンサーにより部品の3次元データを取得し、適当にピッキングを行う。そのピッキングの成否とピッキングした部分の3次元データ形状をタグ付けして機械学習機に送る。これを繰り返すことで、成功する3次元形状のパターンを学習して、ティーチングなしに成功率を高めることができるという仕組みだ。

photo 3次元データと成否を集めることで学習し、ピッキングしやすい部分を学んでいく

 産業用ロボットでばら積み部品を精度高くピッキングしようとすると熟練技術者がティーチングを担当したとしても数日間かかるケースが多い。このデモではPFNの機械学習を使うことで完全に人手が不要となる他、約8時間でピッキング成功率を90%程度にまで引き上げることができたとしている。

 PFNとファナックでは、これらの機械学習をさらに高める取り組みを進めている。複数台の学習情報をリアルタイムに共有する仕組みである。

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