2016年度の新入社員――専門職志向で「優しく相談できる上司」が理想キャリアニュース

トーマツ イノベーションが「新入社員のキャリアに対する意識」についての調査結果を発表。専門職志向で、相談に乗ってくれる優しい上司を求める新人が多いようだ。また、男女ともに「定時に帰りたい」層が増えていた。

» 2016年04月26日 09時00分 公開
[MONOist]

 トーマツ イノベーションが、2016年度入社の新入社員に対し「新入社員のキャリアに対する意識」についてのアンケート調査を実施。2016年4月15日に結果を発表した。

 調査の対象者は、同社が開催した新入社員研修の受講者3931名。「今の会社に入社を決めた理由」を尋ねたところ、「志望業界だったから」が最多で28.1%だった。「内定がもらえたから」という消極的な入社理由は10.9%で、一昨年から減少。昨今の売り手市場と言われる新卒採用で、自分の志望通りの就職を果たしている学生が多いことがうかがえる。

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 「今の会社での勤続意向」については、「できれば今の会社で働き続けたい」が男性では昨年よりも3ポイント減少。女性は1.3ポイント増加している。また、男女ともに「わからない」が大幅に減少し、「いつかは起業・独立したい」が男性で9.1ポイント、女性では8.1ポイント増えた。こうした回答から、将来やりたいことを叶えるために今の会社があるといった意識を持って、入社する社員が徐々に増えていると言えそうだ。

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 次に、「将来会社で担いたい役割」を尋ねた。その結果、全体では「専門家(専門性を極め、プロフェッショナルとしての道を進みたい)」(37.0%)が最も多く、「管理職(組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい)」(24.6%)を上回った。

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 男女別に見ると、男性の「管理職」希望者は年々減少。増加傾向にあるのは「楽しく仕事をしていたい」で、昨年の13.2%から15.5%に増えている。一方、女性は「楽しく仕事をしていたい」が減少。「管理職」を志向する人がわずかながら増えている。

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「定時に帰りたい」層が増加

 続いて、「今後1〜3年間の会社での労働時間についての考え」を尋ねたところ、男女ともにトップの回答が「週に2〜3回の残業まで」(男性39.9%、女性45.5%)だった。なお、男女ともに「定時に帰りたい」が増加。一昨年と比べて男性は4.1ポイント、女性は5.3ポイント増えている。

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 最後に、「自分のキャリアアップにつながる理想の上司」について調査した。その結果、男性は「プライベートのことも相談に乗ってくれる上司」が41.2%で1位、女性の1位は「優しく指導する上司」(40.8%)だった。昨年、一昨年と最も回答の多かった「リーダーシップのある上司」は男女ともに減少している。2016年度の新入社員が求めているのは、仕事に厳しいイメージのあるリーダーシップ型の上司よりも、優しく、相談できる上司と言えそうだ。

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