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» 2016年04月27日 10時00分 公開

いまさら聞けないHILS入門(1):HILSとは何か (3/4)

[高尾英次郎,MONOist]

制御システムの構成

 この要件を満たす発電システムの構成を考えてみましょう。

  • システムは、エンジン、発電機、電力負荷およびECUを内蔵する制御盤から成る
  • ECUは、エンジンの燃料調節装置を通じてエンジン回転数を制御する
  • エンジン始動のための起動スイッチを備える
  • エンジン停止のための停止スイッチを備える
  • 発電機能を発揮させるため発電周波数設定スイッチを備える
  • エンジンの回転状態を検出するための回転センサーを備える
  • 発電機出力をオン/オフするメインスイッチ備える
  • 負荷側の電灯を個別にオン/オフする負荷スイッチ備える
  • エンジンの回転数は、エンジン回転センサーにより検出されてECUに入力される

 以上をイメージ化すると図5に示すシステム構成が考えられます。さらに整理すると図6に示す機能ブロック図で表すこともできます。

図5 図5 システムの構成(クリックで拡大)
図6 図6 発電システムの機能ブロック図(クリックで拡大)

なぜHILSが必要か

 今一度、人が制御を行う場合を想像してください。上手く制御を行う熟練操作員は、もともとセンスが良いのかもしれませんが、最初から熟練していたわけではありません。熟練=数多くの経験をして実績を積み上げてきて、いろいろな場面で上手く乗り切る技量を有しているということです。

 もし、実システムと同じ振る舞いをする練習台が有ればどうでしょう。素人でも、練習台でいろいろな場合を想定した練習を積んで技を身に付けておけば、初めて実システムに向かっても熟練者並みの技量を発揮できるでしょう。この装置をシミュレータと呼びます。飛行機のフライトシミュレータは、シミュレータの代表例といっていいでしょう。

 ECUについても同じことが言えます。ECUをいったん作り上げて作動させると、システム状態が故障などで変化しない限り正常に作動を続けます。しかし、試作したECUを初めてシステムに組み込んで作動させる場合は、人が操作するのと同様に上手く作動して制御させることができるかどうかは保証の限りではありません。ECUにもシミュレータがあれば、入出力回路や制御ロジックがうまく働くかどうかを事前に確認し調整することができます。HILSとはECUにとってのシミュレータなのです。

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