120kVp画像とスペクトラルデータを同時に得られる二層検出器搭載型CT装置医療機器ニュース

フィリップスエレクトロニクス ジャパンは、二層検出器搭載型CT装置「IQon スペクトラル CT」の日本での販売を開始した。1回のスキャンで、従来の120kVp画像と同時にミスレジストレーションのないスペクトラルデータを得られる。

» 2016年04月28日 08時00分 公開
[MONOist]

 フィリップスエレクトロニクス ジャパンは2016年4月11日、二層検出器搭載型CT装置「IQon スペクトラル CT(アイコン スペクトラル シーティー)」の、日本での販売を開始した。

 従来のDual Energy CTでは、事前にDual Energy撮影を追加する判断が必要であることや、事実上の診断基準となっている120kVp画像が同時に取得できないということ、また、仮想単色X線画像の画質、Dual Energyデータの位置ずれや時相ずれといった課題があった。

 それらの課題を解決するのが、今回発売されたIQon スペクトラル CTだ。スペクトラルディテクターである二層検出器を搭載し、高低さまざまなエネルギー成分を持つ連続X線から、最適に分光されたスペクトラルデータを取得する。これにより、全ての検査において1回のスキャンで、従来の120kVp画像と同時にスペクトラルデータを得ることができる。

 また、二層検出器で収集したスペクトラルデータには、ミスレジストレーションがないというのも大きな特長だ。高い造影効果が得られる低エネルギー画像、金属アーチファクトの抑制に有効な高エネルギー画像など、40〜200keVの仮想単色X線画像を簡単に表示でき、特に40keVなど低エネルギー領域でもノイズの増加がない。

 さらに、Auto Exposure Controlによる線量最適化、50cmのFOV、mAsの設定、管球回転速度、小焦点撮影、心電同期再構成、逐次近似再構成など従来通りの設定を、条件を変えることなく使用できる。

 このように、従来の撮影条件やワークフロー、患者の被ばく線量を変えることなく、リアルタイムでもレトロスペクティブにもスペクトラルデータを解析することができる。

photo IQon スペクトラル CT

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