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» 2016年04月29日 06時00分 公開

製造マネジメントニュース:“8年ぶり”最終黒字のソニー、アップルショックと熊本地震でエレキ4分野に暗雲 (3/3)

[朴尚洙,MONOist]
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ゲームを除くエレキ4分野で熊本地震の影響がのしかかる

 2015年度業績については「黒字化」の言葉が踊るものの、2016年度は厳しい状況にある。エレクトロニクス5部門の中核工場やサプライヤの工場などの集積地である熊本県を中心に発生した平成28年熊本地震の影響が大きいからだ。

 現在も稼働を停止しているソニーセミコンダクタマニュファクチュアリングの熊本テクノロジーセンター(熊本テック)は、ウエハー処理を行う前工程を設置した低階層は2016年5月末に稼働を再開できるものの、測定や組み立てなどの後工程を設置した高階層は損傷が大きく、現時点で再稼働の見通しは立っていない。

熊本テックの概要熊本テックの基本構造 熊本テックの概要(左)と基本構造(右)(クリックで拡大) 出典:ソニー

 熊本テック稼働停止の影響を直接受けるのはデバイス分野だ。同工場ではデジタルカメラや監視カメラ向けのハイエンドのイメージセンサーを手掛けているが、これらを生産できなくなるためデバイス分野の業績をさらに押し下げることになる。2016年度下期まで回復しないスマートフォン向けイメージセンサーと併せてダブルパンチになる。

 また熊本テックで生産しているイメージセンサーの多くは、高価格帯へのシフトに成功して営業利益を伸ばしていたイメージングプロダクツ&ソリューション分野の製品に採用されている。モバイル・コミュニケーション分野が扱うスマートフォンも熊本テックのイメージセンサーやカメラモジュールを採用している。このため両分野の業績悪化も免れ得ない。さらにホームエンタテイメント&サウンド分野でも、ブルーレイディスクレコーダーがサプライヤ工場からの部品供給に支障が出ているという。

 唯一影響が軽微と見られるのが、現在好調のゲーム&ネットワークサービス分野だ。同分野を引っ張るPS4の生産は、一部サプライヤの部品供給に支障を生じる可能性があるものの、2016年度の販売台数は2015年度の1770万台を上回る見通しだ。

 ソニーは、熊本テックをはじめ地震の影響を加味した2016年度の業績見通しを、2016年5月24日に発表する予定である。

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