手首に機器を付けるだけで1拍ごとの血圧値を連続測定する技術を開発医療機器ニュース

オムロン ヘルスケアは、手首に機器を付けるだけで、心臓の拍動の1拍ごとの血圧を測定できる、連続血圧測定技術を開発した。46個のセンサーを1列に並べた、独自の圧力センサーを採用している。

» 2016年05月10日 08時00分 公開
[MONOist]

 オムロン ヘルスケアは2016年4月18日、手首に機器を付けるだけで、心臓の拍動の1拍ごとの血圧を測定できる、連続血圧測定技術を開発した。現在、睡眠中の連続血圧測定が可能なプロトタイプが完成しており、同年3月よりこれを活用した臨床研究を開始している。

 新技術では、手首の体表近くにある橈骨(とうこつ)動脈に圧力センサーを平らに押し当て、1拍ごとの血圧を測定するトノメトリ法を採用。従来のトノメトリ法は、手首で捉えた1拍ごとの血圧値と上腕の血圧値を照合する必要があり、大型機器を使用していた。

 今回同社では、46個のセンサーを1列に並べた独自の圧力センサーを開発。また、これを2列配置し、各センサーからの圧力情報を基に、各患者に合ったセンサーの角度を自動的に調整する機構を構築した。同センサーと機構により、手首に機器を付けるだけで、トノメトリ法による簡単な血圧測定を可能にした。

 心臓は1日に10万回程度拍動し、1拍ごとに血圧は変動する。特に、夜間や早朝の高血圧や急激な血圧変動は、脳・心血管疾患の発症リスクを高めることが指摘されている。同技術は、1拍ごとの血圧を連続的に測定できるため、これまで捉えることができなかった急激な血圧変動のパターンや頻度などの血圧変動情報から、脳・心血管疾患発症リスクを予測し、発症を抑えるための高血圧診断・治療に貢献するとしている。

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