リコーの新方式金属3Dプリンタ、材料粒子をあらかじめ樹脂でコーティングDMS2016

リコーは、「第27回 設計・製造ソリューション展(DMS2016)」において、開発中の金属3Dプリンタ技術を参考展示した。

» 2016年06月24日 07時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 リコーは、「第27回 設計・製造ソリューション展(DMS2016)」(2016年6月22〜24日、東京ビッグサイト)において、開発中の金属3Dプリンタ技術を参考展示した。材料粒子にバインダーとなる樹脂を吹き付けて造形を行うバインダージェッティング方式を基にしながら、独自の新方式の採用によりさまざまな利点があるという。

リコーが開発中の金属3Dプリンタ技術を用いた出力事例。ステンレスのSUS316Lリコーが開発中の金属3Dプリンタ技術を用いた出力事例。ガラス リコーが開発中の金属3Dプリンタ技術を用いた出力事例。ステンレスのSUS316L(左)やチタンの他、ガラス(右)も利用できる(クリックで拡大)
リコーが開発中の金属3Dプリンタ技術の概要 リコーが開発中の金属3Dプリンタ技術の概要(クリックで拡大) 出典:リコー

 バインダージェッティング方式の3Dプリンタは、造形する形状に合わせてバインダーの吐出量を制御することが難しい。焼結プロセスの前に、バインダーの樹脂を除去する脱脂プロセスが必要になるといった課題もある。

 リコーが金属3Dプリンタに適用する新たなバインダージェッティング方式では、材料粒子の表面にあらかじめバインダーとなるnmレベルの厚みの樹脂皮膜をコーティングしておく。造形を行う際には、樹脂皮膜を溶解/固化させる専用のインクを吹き付けて、粒子同士を接着する。この方式であれば、バインダーを吹き付ける方式よりも造形物に含まれる樹脂の量が少なくて済むので、脱脂プロセスが不要になるわけだ。

 展示では、ステンレスのSUS316L、ガラス、チタンなどを材料に使った出力事例を披露した。「レーザー焼結方式の金属3Dプリンタと同等とまでは言えないが、かなり良好な性能を達成できているという手応えがある。今回ガラスの事例を見せたが、セラミックも対応可能だ」(同社の説明員)という。

第27回 設計・製造ソリューション展(DMS2016)特集

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