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» 2016年06月30日 11時00分 公開

いまさら聞けないHILS入門(3):HILSとセンサー (2/4)

[高尾英次郎,MONOist]

コントロールスイッチ

 コントロールスイッチはロータリー式で、OFF、50Hzおよび60Hzという3つのポジションを選択できます。実回路は、ロータリーノブで50Hz入力と60Hz入力の2つの接点を作動させて、3つのポジション状態の電気信号を作り出します。3つのポジションと接点状態の対応を表2に示します。

スイッチ コントロールスイッチポジション
OFF 50Hz 60Hz
50Hz接点 開(電圧不定) 接(GND) 開(電圧不定)
60Hz接点 開(電圧不定) 開(電圧不定) 接(GND)
表2  コントロールスイッチの機能要件

 この回路は、接点が開の場合にスイッチ出力がどこにも接続されていない状態となります。ECUを接続しないとスイッチの出力端子の電圧が「不定」となることに注意が必要です。ただし、ECUは内部回路で、プルアップつまり入力を数kΩの抵抗を介して電源(5V)と接続するので、接点開時には5Vとなります。

 HILSのコントロールスイッチ信号発生回路は、図3の回路A〜Cに示す3通りの方法が考えられます。おのおの2個のスイッチ出力回路を使いますが、1回路だけを図示しています。

図3 図3 コントロールスイッチ信号発生回路(クリックで拡大)

 回路Aは、実回路と同じく接点を開/閉できるようにメカリレーを適用しています。メカリレーを駆動するための回路が必要ですが、電気的には実回路と同じ要素で構成できます。実回路と同様に、接点を開閉すると機械的にバウンドすることにより、高速度でオン/オフを繰り返すチャタリングや接点間の放電により過渡電圧が生じます。

 回路Bは、リレー接点の替わりに半導体スイッチを用いて開閉する方法です。この方法は、オフ時にスイッチ出力とGND間に漏れ電流が発生するので、メカリレーと同じではありません。また、チャタリングや放電を生じることはありません。

 回路Cは、デジタル信号電圧の0V/5Vをそのまま用いる方法です。この方法は、接=0V、開=5VをECUに与えることになります。

 実回路に近い順に、A、B、Cとなります。HILSのスイッチ出力としてよく用いられるのは回路Cで、ほとんどの場合HILSのスイッチ出力として十分に適用できます。AやBは、ワイヤハーネスやECU回路の異常が関係するような特別なテスト(例えば、市場不具合の再現テストなど)を行う場合に有用です。どの回路をHILSに適用するかは、ECUの仕様とHILSで行うテストを考慮して決定することが重要です。

 複数の接点を同時に関連して作動させる場合には、ロータリースイッチのように、実機と類似の機能を持つユーザーインタフェースを定義することで、HILSの使い勝手をよくすることができます。

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